内容説明
本当に住みやすい家とは、を求めて施主と真摯に関わりつづけてきた建築家が、個個の家庭環境に応じた暮らしの実相の中から、理想の住まいをつくる手がかりをまとめたエッセイ集。ハード面よりもむしろソフト面にスポットをあてた、住宅設計のプロの代表作。
目次
第1章 住まい方は生き方(「新・住居学」事始め;建て売り住宅へのひとこと;土地のミステリー ほか)
第2章 専門家信仰の誤算(派手な見せかけの裏に見える淋しい貧しさ;建築家の領分、住み手の領分;リビングルームは必要か ほか)
第3章 私の建築日誌(家の個性を上手に出すには;なぜ南向きの部屋?;家相に耳をかそう ほか)
著者等紹介
宮脇檀[ミヤワキマユミ]
1936年、名古屋市生まれ。建築家、エッセイスト。東京藝術大学建築科卒業、東京大学大学院修士課程修了。主な作品に、秋田相互銀行、松川ボックス(日本建築学会作品賞)、あかりのや、出石町役場、高須ニュータウンなど。1998年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ケイティ
27
80年代に書かれたエッセイだと知らずに読み始めたが、とても面白かった。日本経済が右肩上がりの時代、量産されていく建売や主体性がなく流行に踊らされた注文住宅が溢れることへの辛辣なぼやきが、読み進めるうちにどんどん癖になってくる。小気味よくて楽しい合間に、住宅のことに限らず、ぐっと刺さる深みや学びも多々あった。「なぜそう感じるのか」を分析し、その裏にある哲学を考える、できるだけいいものだけを身体で知る。そうして知ったものの蓄積が瞬間の判断を正しくする、という彼の矜持が心に残る。2025/03/20
wiki
16
専門家の談義。エッセイだから自由に筆をすすめられた感あってサラサラ読めるが、指摘している視点は鋭い。本としては古いもので、現代感覚とはすでに離れた所が多い。本書で指摘された大手のハウスメーカーなどが作るものは当時より技術も向上してきたが、著者にとって大勢は変わらないと判断されるのだろうか。住居に対する思いやりというか、住み心地に対する配慮といった思想は、設計士の人格が研ぎ澄まされていないことには生まれない。この本では画一化とマーケティングによって、大事な観点を忘れ去った日本の住宅のさもしさを突く。面白い。2019/08/06
T.Matsumoto
8
建築家、エッセイスト(!)と紹介されるのも納得の軽やかで分かりやすい文章。住居にまつわる話題を、一般読者に向けて分かりやすく伝え続けた姿勢には頭が下がります。あまり建築家のあいだでは言及されることが少ない宮脇氏ですが、巨匠とは対極的な目線を持ちながら、今日のBRUTUSがやっていることを30年前にやっていた感じです。時代も変わったので、そのまま使える知識も少ないように思いましたが、情報発信って大事ですよね〜、と納得。2019/02/09
ないしょー
4
ある方に勧められて。家の購入を考えている方はぜひ一読を勧めたい。住宅作家のエッセイ(ぼやき?)集。家造りの際、無意識のうちに「リビングルームを」と要求する施主は多いが、「そこで何をするの?」と突き詰めていくと「ただなんとなく。。」というお施主さんは多いという。もちろん一般的に、その部屋の用途を知らない人はいないが、はたして自身の生活に必要だろうか?いかに使うのだろうか?と考えるとだんだん怪しくなってきます。そんな感じに考える機会を与えてくれる内容満載。2014/01/27
Autumn
3
宮脇檀さんって亡くなってたんだなぁ。彼の作品集を見てみたくなった。2014/03/09
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