内容説明
謎の名簿に名を連ねた東大出身のエリートたち。次々と殺害されてゆく七人の男たちと、死んだ医学部教授の妻・娘との“秘められた関係”は?早逝した『ボディ・レンタル』の作家が“愛の狂気”に迫る、衝撃の官能長篇。
著者等紹介
佐藤亜有子[サトウアユコ]
1969年岩手県生まれ。2013年に急逝。東京大学仏文科卒業。96年、自分のカラダをレンタルする女子大生を描いた『ボディ・レンタル』が第33回文藝賞優秀作となりロングセラーとなる。また「葡萄」では芥川賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆかーん
34
『あらすじ』に書かれた真実が衝撃でした。この本は、著者の実体験を下地にして描かれているようです。1人の少女を巡る男達の壮絶な争い、嫉み、妬み、恨み。そして、そこに加えられる女達の嫉妬、怒り、悲しみ。それらの感情が、東京大学生同窓生という枠組みの中で、とぐろを巻いて恐ろしい愛憎劇を生み出し始めます。彼らの争いに巻き込まれた1人の少女は、男達の魔の手にひたすら耐え続けます。そこに感情はなく、まるで一体の人形であるかのように振る舞うのです。著者自身の実体験を元に綴られる話が生々しく官能小説のようでした。2015/04/27
_apojun_
3
タイトルからイメージしていたのと内容のギャップが想像以上に大きかったかなー。 主人公の探偵役にも共感できないというか、好意を持てなかったせいが好き嫌いではありますが、私的には今一つでした。 作中、結構な数の殺人事件が起きるのに警察がほとんど(全く?)出てこないというのが斬新と言えば斬新。2023/09/08
桜花
1
登場人物と関係が複雑すぎて何度も行ったり戻ったりしちゃいました。 それぞれの登場人物の欲望が深すぎてドン引きです。 まるで女が道具みたい。 香奈のセリフがほぼというか全然?ないところがより際立たせています。 強い欲望のためなら倫理観のかけらもないことをできてしまう狂気を感じてしまう作品です。 でもそこまでさせてしまうこの母子の魅力って…?2018/10/10
ラーメン小池
1
やや不思議な読後感を感じる。登場人物、特に女性たちの心情があまり描写されていないためか。どうしても著者の体験と結びつけて捉えてしまいがちになる。純粋なミステリーとは違うし、明確な結末が示されているとも言えないので、そこら辺を期待していると違和感を感じるかもしれない。2014/02/03
なかし
1
東大内部、本郷付近の地理に詳しいとおもしろいかも。 プレゼントを渡すときは、オペラ「魔笛」の途中か。 ~誰かの今後を護るもの 幸せをもたらす魔法の笛2013/06/28