内容説明
1996年刊、初の著書にして、ロング・セラーになったポップ・カルチャー・コラム集。好きだけじゃ終わらずにシーンの中に身を投じながら、細かい気配りが利いた取材をし、濃密なデータ&ユーモアを原稿に詰め込む独特なスタイルで、はっぴいえんどから渋谷系時代のアーティスト、デニス・ホッパー、セルジュ・ゲンスブール、勝新太郎、ディヴィッド・リンチなどを描く。
目次
日本語のアカすり職人たち
街と人が音楽を作る
世界同時渋谷化
リメイク・リモデル、または若いのに巧い人々
パリのアメリカかぶれ
趣味の良いバッド・テイスト
問題オヤジ研究
臭いモノのフタを取る人
文科系男の性的ファンタジー
音楽極道のシノギ
ロック少年の老後
著者等紹介
川勝正幸[カワカツマサユキ]
1956年11月21日、福岡県生まれ。2012年1月31日没。享年55。自らを「ポップ・ウィルスに感染した『ポップ中毒者』」と呼んだエディター/ライター。広告代理店勤務を経て、執筆家/編集者/放送作家として独立。雑誌への寄稿、映画パンフレットの編集、CDジャケットのクリエイティヴ・ディレクションなど、その活動は多岐にわたった(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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よきし
7
民衆文化を研究しながらポップに弱いとか意味の分からない弱点を持つ僕にはいろいろほほおとか、まったくわからんとか、とにかく刺激的な本でした。これを片手にいろいろ見ていくとまた見えてくるものがあるんだろうな。これを同時代で体感していた人からすれば、すごく残念な奴だろうけど、こういう出会い方もまたひとつと開き直って(笑)。最後の小泉今日子のインタビューで、この川勝さんという方の人となりや愛された人だった感じがビシバシ伝わってきたのがよかったけど、こんな亡くなり方は本当に周りの人もショックだったことだろう。2013/05/16
midnightbluesky
5
無我夢中で渋谷系の映画とか音楽とか雑誌を追いかけていたころが(爆)2017/03/05
はち
4
80年代後半から96年までのサブカルチャー界隈の展望。面白い。悲しいかなこの時代は思春期前なのでほとんど知らないことだらけだったが。この本続編があるし、文庫化予定なのでそっちはより楽しめるはず。解説のキョンキョンの文章が切ない。2013/02/11
buy-obey-consume
3
90年代初頭、「世界同時渋谷化現象」はたしかにあった。ヴィンテージ映画の再評価、レア・グルーヴの発掘、過去音源からの夥しいサンプリング(及びスウェディッシュ・ポップやトリップホップ)が活発になったのは、日本だけでなかったことも事実である。ただし、世界はブリットポップやダンス/R&Bなどの隆盛で過去になく市場が大きくなったために、渋谷系のような本来アンダーグラウンドな文化すら水面に上がってきた気がする。この本は、過去のポップカルチャーをふり返り始めた時期があって、その黎明期に活動した人々の青春群像といえる。
サカモトマコト(きょろちゃん)
3
ポップ中毒者を自称する著者による評論、エッセイ集。 映画や音楽の話題が書かれており大変良かったです。 特にボアダムスの山塚アイさんのインタビューが面白かったです。2017/04/20