内容説明
座談の名手としても一家をなした、志ん朝師匠の初めての対談集。落語の話、芸談、楽屋裏の話、家族の話、父・志ん生の話、旅の話、そして、ちょっといい話。
目次
僕ら、廓を知らなくとも廓話はできる(山藤章二)
最期まで高座に燃やした志ん生の執念(金原亭馬生;結城昌治)
“普通の人”の感覚でないといい仕事はできない…(池波正太郎)
日本語って、混乱してるようでも実に生命力に溢れている(池田弥三郎)
世の中ついでに生きてたい(結城昌治)
芸を語る父を語る(中村勘九郎(現・勘三郎))
笑いと想像力(荻野アンナ)
落語も人物を描かなきゃ…(江國滋)
待ってました。イヨォッ!(中村江里子)
親父は親父、芸は一代。(林家こぶ平(現・正蔵))
著者等紹介
古今亭志ん朝[ココンテイシンチョウ]
1938年、東京生まれ。落語家。古今亭志ん生の次男(長男は金原亭馬生)に生まれる。1957年に朝太で入門、1962年に真打昇進し、三代目古今亭志ん朝を襲名。2001年、逝去。正統派江戸前落語の名人。古典芸能の「住吉踊り」を復興したことや、俳優業でも知られた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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りんご
41
桂米朝師匠の噺ばっかり聞いてて、もうちょっと他のも聞きましょうと、図書館のCDを漁った結果、志ん朝師匠もすごく耳あたりが良かった。上方落語から入ったせいで、江戸落語は怖い。暴力的に聞こえてしまう。志ん朝師匠にはそれをあまり感じない。名人と言えば「志ん生」と挙がるお父上。ざらざらした音の録音のものはあまり聞く気にならないのですが、この本を読んだら「志ん生」を聞くしかない気がしてきました。これからの落語界は、って話もこの本の中でされております。切ないですね。2022/09/23
つねじろう
19
江戸前の歯切れの良い落語家だった。父親の志ん生とは別の持ち味でハキハキとした聴きやすい丁寧な落語で好きだった。この本の対談相手とも適度な間合いでやり取りしてるもの良い。勘九郎と語る芸は人なりの話が心に残る。この人と枝雀はもっと生きてて欲しかった。2012/11/06
葉芹
18
志ん朝病の私は彼の本を漁っています。恋ですかね。とにかく彼の声、顔、姿、佇まい、めっちゃ好きなんです。今のところ火焔太鼓がベスト1。けれど、やはり難しい噺だそうです。2013/10/11
KF
13
落語界に深みが無かったのであろう。勿論あるだろうと思っていたわけではない。最初の山藤章二を読んだときには「こりゃ面白そうだ」と思った。その後もそんな感じの箇所もいくつもあった。が、だんだん難しく感じ始めた。標準語ではなく東京弁で喋ったりとかもあった。難しく感じた箇所は落語を観に行っていない、落語界の在り方に精通していないどこらか執拗な基礎知識を学んでいないのが原因かな、と思った。落語界をもう一度深く知ってから読み直したらフンフンとニコニコ読めるのではないかと思うがそこまでエネルギーを割こうとは思えない。2021/03/08
コマック
11
マクラでは聞けないような本音の部分を引き出してくれている対談集。この本でも、落語家で親でもある志ん生師について、息子として落語家として多くを語ってくれてはいる。が、個人的には、落語家にならなかった息子さんについて志ん朝本人がどう思っていたのかを知りたい。おそらく落語家には向いていなかったのだろうが、この本でも息子さんについては一切語られていない。たまに高座で息子さんとの日常の遣り取りを語っていたこともあるだけに、一般人の親となった落語家の志ん朝としての「子ども論」のようなものも聞いてみたかった。残念。2024/05/01
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