内容説明
東京大学における伝説の講義が、ついに文庫化。時代により変遷を重ねたマイルスの音楽世界を、理論はもとよりファッション、映画など、ジャンル横断的に論じた比較文化的マイルス論の決定版。上巻は誕生からエレクトリック期前夜まで。文庫オリジナル座談会には中山康樹氏も参加。
目次
第1章 マイルス・デューイ・デイヴィス三世誕生―1926‐1944(マイルス・デイヴィスの二〇世紀;イースト・セントルイスのセンチメント)
第2章 ニューヨークの速度とビ・バップ―1945‐1955(都市/速度/スウィーツ;パリのリュクスと青春の高揚/失望)
第3章 メジャー・デビュー、帝王の完成―1956‐1965(メジャー・デビューとオリジナル・クインテット;アンビヴァレント・アメリカの一九五〇年代;“都市音楽”から“汎都市音楽”へ;レヴォリューション/モード・チェンジ)
著者等紹介
菊地成孔[キクチナルヨシ]
1963年、千葉県生まれ。音楽家、文筆家。ジャズに軸足を置きながら、ジャンルレスな音楽・執筆活動を展開
大谷能生[オオタニヨシオ]
1972年、青森県生まれ。批評家、音楽家。sim、masなどのバンドに参加し、日本のインディペンデントな音楽シーンにて積極的な活動を行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yuichi Tomita
4
東京大学講義のマイルスバージョン。1人のジャズミュージシャンを大学の教養の授業で採り上げるなんて前代未聞だろう。 中身は堪能と憂鬱と同じような内容だが、相当に加筆したらしく、かなりまとまっているように感じる。マイルスを多面的に捉えることが出来る。 最後のリディアンクロマチックコンセプトによる分析の所は全くわからんかった。2022/02/27
しびぞう
3
いかん、読むより聞こう。頭で理解したらマイルス・デイビスに失礼かもしれない。2017/08/30
引用
2
楽しそう、楽しそうでいいと思う。2021/01/12
重度の悪文
2
信仰告白っぽい。講義録なんだがまるでライブ感なし。加筆量が半端ないので、架空かつ捏造された講義だ。例の如く東大でカマした講義だが見事なまでに受講生の顔が浮かんでこない。密室で一人鏡見ながら喋っているかんじの深い自己陶酔的・自閉的文章。それもまたわざとなんだろう(マイルス的に)。人によっては最高、人によっては最悪(これまたマイルス的だ)。最高!2013/10/22
hidehi
1
マイルスが”マイルス”になっていく過程が、ミュージシャンならではの勝手な共感の元にうまく解釈されていて面白い。リディアン・クロマチックと濱瀬理論によるそれぞれの『ソーラー』の分析が付録についていて貴重。2021/05/21