出版社内容情報
ルネサンスのボッティチェリからギュスターヴ・モローなどの象徴主義、クリムトなどの世紀末芸術を経て、澁澤龍彦の本領である二十世紀シュルレアリスムに至る西欧芸術論を一挙に収録した集成。
内容説明
西欧芸術家に関する澁澤の数知れぬエッセイを一堂に集め、生年順に並べて総覧にした文庫オリジナル集成。ルネサンスのボッティチェリからゴヤ、モロー、ルドン、クリムトなどの個性の強い画家たちを経て、著者の本領である二十世紀シュルレアリスム―ピカソ、デュシャン、キリコ、エルンスト、デルヴォー、マグリットなどを収録する。
目次
西洋美術の画家たち1 十四~十九世紀(シモーネ・マルティーニ―グイドリッチオ騎馬像;愛の魔術―謎にみちた室内;カルロ・クリヴェッリ―豪華な金のきらめき;額縁のなかの春;ヴィナス誕生 ボッティチェリ ほか)
西洋美術の画家たち2 二十世紀とシュルレアリスム(ピカビアと機械崇拝 あるダダイスト;パブロ・ピカソ;デュシャン あるいは悪循環;キリコ、反近代主義の亡霊;クロヴィス・トルイユ ネクロフィリアの画家 ほか)
著者等紹介
澁澤龍彦[シブサワタツヒコ]
1928‐87年。東京生まれ。本名龍雄。東大仏文科卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介するかたわら、人間精神や文明の暗黒面に光をあてる多彩なエッセイを発表。晩年は小説に独自の世界を拓いて、広く読まれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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白義
17
澁澤龍彦がこれまでに書いてきた芸術に関する全エッセイを時代順に並べ、一望可能にした、まさしく澁澤龍彦によるもう一つの芸術史と言っても過言ではないアンソロジー。そこには印象派もダ・ヴィンチも写実主義も存在せず、幻想絵画、象徴主義、シュルレアリスムやダダイズムが異なる宇宙を構成している。ゴヤやモローやマックス・エルンストがここでは中心なのだ。視覚的絢爛さや執着、形態的突飛さと、あらゆる点でそこにカビの生えた退屈な芸術は存在しない。惜しむらくは図版が全くないので、検索しないと文章でしかその世界を追体験できない点2016/04/08
六波羅
5
前半は楽しく読めた。ピカソに章割きすぎと思いながら読み進めて、後半のマグリット、タンギーの章で僕の頭脳じゃ全く理解できずに撃沈した。でも好きな、ギュスターヴ・モローやルドン、ゾンネンシュターンについての美術論が読めてよかった。それに詳しく知りたかった、美人画家のローメン・ブルックスの章があったのが嬉しかった。下巻は拾い読みはしたけど通読してないので、下巻、挑戦します。
ナカユ〜、
0
面倒くさいけど、作家の画像検索しながら読んだ方がいいね。2011/11/25
nitchimo
0
こういう本を出す時には併せて関連の絵画を掲載して頂きたい。2011/01/03