河出文庫
わすれなぐさ

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  • サイズ 文庫判/ページ数 221p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784309410074
  • NDC分類 913.6
  • Cコード C0193

出版社内容情報

美しくも我儘なお嬢様・陽子と彼女のあやつる糸に絡めとられていく牧子、そして学校一の優等生・一枝の、愛と友情の行方は……? 少女小説の女王が描く、昭和ロマン漂う少女たちの物語。解説=内田静枝

内容説明

美しく我侭なお嬢様・陽子、人造人間とあだ名される優等生・一枝、無口で風変わりな個人主義者・牧子。一枝と心を通わそうとする牧子だったが、華やかな魅力に溢れる陽子の操る糸に絡めとられていく…。夏休みの水泳合宿、学校帰りの横浜ドライブ―少女小説の女王が描く、昭和ロマン漂う少女たちの愛と友情の物語。

著者等紹介

吉屋信子[ヨシヤノブコ]
1896年、新潟市生まれ。10代~20代にかけて発表した『花物語』が「女学生のバイブル」と呼ばれる程の大ベストセラーとなる。その後『安宅家の人々』『徳川の夫人たち』『自伝的女流文壇史』など多数の作品を発表、流行作家として人気を博した。52年、「鬼火」で女流文学賞、67年、菊池賞受賞。73年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

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優希

47
雰囲気が凄く乙女だなと感じました。美しく我儘なお嬢様・陽子、人造人間的な優等生・一枝、無口で風変りな個人主義者・牧子のロマン漂う物語に酔い仕入れてしまいます。一枝と近づきたいのに、陽子の華やかな魅力に引き込まれていくのが少女小説らしいなと思わされますね。少女たちの愛と友情が眩しいです。少女たちの成長が瑞々しく見えました。2014/08/27

とりあえず…

32
一度読んでみたいと思っていた吉屋信子さん。 大正から昭和にかけて売れに売れた女流作家さんだっけあって、少女然とした世界観でありながら読ませる。同じクラスにいながら、個性も、属するグループも全く違う三人の少女。時代の本流に染まることに疑問を感じる少女達の葛藤が、可愛らしく、いじらしく感じる。三人に中では、わけても、陽子が魅力的。とびきりのお嬢様で我儘放題なのに憎めないのは、その真っ直ぐな気性ゆえ。その後、難しい時代になる日本。三人の行く末が気になる。2015/07/28

coco夏ko10角

27
少女たちのやり取りが可愛いし、物語からあふれでる乙女の雰囲気が素敵。登場人物がみんな魅力的、途中何度か陽子には「おいおい」と同時に「でもまあ陽子だし」なんて思ったり。表紙のイラストも作品に合っていてすごくいい。2015/05/10

ふりや

14
先に読んだ『花物語』も素晴らしい作品でしたが、個人的に本作はさらに上を行く傑作だと感じました。勝ち気で我儘だけどクラスのアイドル的な存在の陽子、優等生の一枝、無口で風変わりな牧子。三人の女学生の三角関係を描いた物語。主人公たちの関係性を軸に、それぞれの家庭環境、親と子、兄弟や姉妹との交流も丁寧に描かれます。短編集だった『花物語』と比べると、長編になったことでキャラクターの造形やストーリーに厚みが出て、かなりエンタメ感のある作品になっています。三人の葛藤と成長の末の、ラストの爽やかな余韻が最高でした。2022/02/13

真竹

12
昭和初期、陽子みたいな奔放な女王然としたキャラクターって受け入れられてたのかしら?ものすごい存在感。三人の女学生の交流を描きつつ、教訓めいた要素や、女性としての生き方への葛藤など、戦前の少女小説らしさ満載。2015/06/14

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