内容説明
読書家としても知られる狐狸庵の、本をめぐる名エッセイ。「歴史」「紀行」「恋愛」「宗教」等多彩なジャンルから、読書の楽しみ方を描いた極上の一冊。青春時代より親しんだ、愛着のある本を紹介しつつ、とっておきの創作秘話も収録。「古本のたのしみ」「江戸時代の面白い本」「中年男の愛情と破局」等四十篇。
目次
1 読書の楽しみ
2 恋愛小説を読む
3 夫婦と家族
4 歴史と紀行
5 神・信仰・人間
6 思い出の作家たち
著者等紹介
遠藤周作[エンドウシュウサク]
1923年東京生まれ。慶應義塾大学仏文科卒業。55年「白い人」で芥川賞、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞、79年『キリストの誕生』で読売文学賞、80年『侍』で野間文芸賞を受賞。95年文化勲章受章。96年9月死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
フユコ
77
一人の作家さんの作品やエッセイを全部読破し、その作家さんを批評してる人の話も見てみるというやり方は中々大変そうだけどでもいいのかも。のちのち斜め読みになっちゃったのはちょっと大学の事とか古本を売った人の線の引く場所について冷たいことを言ってたのが悲しかったです。2016/05/07
Matoka
28
グレアム・グリーンとの交流が心温まる。泊まったホテルのエレベーターで偶然会うというのがすごいっ!生きている間に会えて本当に良かった。「本とのつきあい方」で、Aという作家の作品を全集でとにかく読み、その間他の作家には手を出さない、日記、書簡、評論まで全て読む。その後Aが影響を受けた作家に手を拡げる、とあった。すごいわー。そんな、遠藤周作に『君は本を読んだことがあるかい』と問われれば、、、ハイとは言えないですな。2017/02/15
犬こ
25
遠藤周作のおすすめ本エッセイ。テーマがいくつかある中で、歴史書が熱が入っていたのは納得だけれども、恋愛書も熱かったのは意外でした(笑)ジャンル多岐に渡り、感受性、目のつけどころも面白い。とても勉強熱心な作家でしたね。2016/06/16
おくりゆう
18
個人的には『海と毒薬』しか読んだことがありませんが、遠藤周作氏の読書、本にまつわるエッセイを集めた一冊で読み方こそ違えど、読書の楽しみが伝わってきて読むだけで楽しく読むことができました。旅するところまで含めて一度氏のような楽しみ方をしてみたいです。2015/06/28
rokubrain
12
「良書というのはよい本という意味ではない。良書というのは自分のテーマを疼かせる本のことであると私は思う」テーマを追い続ける。これというものに出会ったらとことん掘り下げる。 演繹的でもあり、帰納的でもあるようなアプローチ。 テーマは原点であり中心なので、そこからは先は演繹的。 それを構成する章立ては構造的に中心に向かった帰納的なアプローチとなろうか。セレンディプティの実体験もあったグレアム・グリーンはぜひ読まねばならぬなあ。2019/03/16