内容説明
かつて二世紀から三世紀の日本に、スサノオに発し、その子ニギハヤヒを柱石とする巨大な王権が存在した。出雲から出で九州を席捲し、内海外洋航路を掌握して大和を治め、日本の基礎を確立したこの王権が、記紀を媒体とし、蘇我氏‐藤原氏の陰謀によって神話にすりかえられ抹消された経緯を、豊富な神社伝承と祭神の分布、系統の分析等によって解明する。
目次
第1章 スサノオの素顔
第2章 蘇るニギハヤヒ
第3章 秘められたドラマ
第4章 曙の風雲児
第5章 雄飛
第6章 消された覇王
第7章 見果てぬ夢
第8章 スサノオの子供たち
第9章 幻の大王
第10章 悲愁の旅路
第11章 日本の誕生
著者等紹介
小椋一葉[オグラカズハ]
1942年岐阜市生まれ。京都大学大学院修士課程修了。愛知県立大学助手を経て、古代史研究に専心
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感想・レビュー
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ゲオルギオ・ハーン
20
スサノオやその子のニギハヤヒを祀る神社が割と多いのはなぜかというところからスタートして、著者がざっと調べてまとめてみたという一冊。調べても分からなかったところは著者が大胆にも『歴史から消された覇王とその一族』というイメージを念頭に物語を書いていくというユニークなことをしている。読み物として、歴史ファンタジーとして読むにはいいと思いました。日本古代史についてはあまり知らないのでこういうところが論点になっているんだなと知れましたし、いろいろと疑問点が出てきて古代史を調べる時の参考になりました。2022/04/27
福姐999☆
2
面白かったけれど、我田引水の強い感もあり。
ばろやん
1
いつの世も勝者が歴史の書き換えを行う。いつもいつも。2018/04/07
讃壽鐵朗
1
古代史に興味のある人にはよく知られているが、神武天皇が大和入りしたときには、既に饒速日命がそこを支配していた。 記紀には、天降っていたとされているが、その祖先については記載が何もない。その疑問点を、素戔嗚尊の息子である、大歳が饒速日命そのものであるとして、根拠となった神社伝承を数多くあげている。 それらの伝承を全て信じ込むのは全くおかしな事だが、何故素戔嗚尊を祀る神社がこれほど多いのかは確かに不思議である。 2013/11/23
Osamu Yoshida
0
謎の多い日本の古代史。特に2世紀~3世紀の日本の曙について書かれています。 皆さんの歴史観を変える一冊です。2016/05/15
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