内容説明
無声映画の思い出、映画のフィーリング、マルコ・フェレーリ監督の『最後の晩餐』、仁侠映画の美、ジンネマンとヒューストン…幼少の頃からずっと見続けてきた、洋の東西を問わない名画の数々に寄せる思いのたけを、惜しみなく綴った映画通池波正太郎の映画決定本。ご存じ「映画日記」も充実。随所に食べ物や自作の時代小説の話も織りまぜて。
目次
映画と私
無声映画のころ
映画とフィーリングについて
最後の晩餐
君よ、仁侠の美の何に酔うのか
映画館の椅子(「ただものでない俳優」たち;人間の巣;流血の中の詩情 ほか)
映画日記(陶然の映画渉猟の日々;新旧映画の味覚極楽;詩情とエネルギーあふれるアメリカ映画 ほか)
著者等紹介
池波正太郎[イケナミショウタロウ]
1923年、東京・浅草生まれ。下谷・西町小学校を卒業後、茅場町の株式仲買店に勤める。戦後は下谷区役所等に勤務。長谷川伸の門下に入り、新国劇の脚本演出を担当。「鬼平犯科帳」「剣客商売」「仕掛人・藤枝梅安」の三大シリーズが代表作。1990年逝去
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感想・レビュー
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虹の谷
4
池波正太郎の映画日記。映画が生活の中にある池波さん。観ないと禁断症状が現れるほど どこで何を食べたなども書いてあり作家の日常も垣間見られて楽しかった。2017/06/16
東森久利斗
3
映画のある生活、日常。至福の時、至福の人生。映画は食べもの、映画は生活の一部・リズム、映画は身体の一部。生理的な飢餓感、禁断症状は経験者にしか分からない。1日1本、劇場、試写会に足を運び、鑑賞後に銀座や日本橋、浅草の行きつけの店で美味いものをアルコールとともに堪能。連載の原稿執筆、脚本の制作、台本の校正、朝食、昼食、夕食、夜食、晩酌に2~3本、寝酒に1杯、さらに日記、クオリティ、行動力、食欲、精神力、バイタリティに脱帽。書くもチカラ、食べるもチカラ、生きるチカラ、持って生まれた才能、天性としか思えない。2025/01/01