感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ehirano1
58
「獄衣の抹殺者」について。人間、所詮欲には勝てない、否、欲をコントロールすることは甚だ困難、コントロールしようとすること自体が無謀なんだと思いました。そして、正直に生きることの大切さを改めて感じます。加えて、案外身近な事物にこそ注意を払う必要があると思いました。2023/05/16
まゆき
3
色々な囚人、いろいろな脱獄を描いてどれも面白い短編集。脱獄物というのが大の苦手で映画も絶対に見ない私ですが、薦められた義理で読み始めたら夢中になりました。脱獄のトリックも「よく考え付くな」と感心しますが、何よりも作者の文体が好みでした。何も衒わないストイックな文章は凄みさえ感じさせます。司法保護司という経験が活かされて生まれた作品たちだそうだけれど、文体は作家としての努力と才能だからやはり感心します。脱獄物以外の楠田作品も、まとめて読めるようになってほしい。2012/04/02
kanamori
1
☆☆☆2011/10/12
Darbytime
1
脱走モノの短編集。「刑務所からどう出るか」というテーマを多くのバリエーションで楽しめる。密告(ちんころ)、不良少女(ズベ公)、錠前破り(つゆおとし)など多分今後使わないであろう言葉も印象に残る。解説にあった「雪」はいつか読んでみたい。2014/03/13