内容説明
古今東西の文学作品や歴史的著作の中から、夢、オブジェ、エロティシズムなど、一巻一テーマで輝きと驚異に満ちた文章の数々を採集した「コレクション」の第三巻。自由な断章のアンソロジーの形で、新しい感覚と知へ向けてコラージュする「言葉の博物館」の「エロス」編。聖なるものからフリークまで、快楽の存在者たちが会する妖しい庭園。
目次
ホムンクルス(ゲーテ)
ゴーレム(マイリンク)
男が女になる(ヒポクラテス)
去勢願望(フローベール)
さまざまな去勢者(アンション)
女が男になる(パレ)
悪徳は選択からはじまる(コクトー)
蝙蝠になった男(チェッリーニ)
自分を食う男(フォルヌレ)
影の病(只野真葛)〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
双海(ふたみ)
22
目次を眺めているだけでも面白い。「ホムンクルス」(ゲーテ)から始まって「白人変態説」(ショーペンハウアー)、「雌は怪物のはじまり」(アリストテレス)、「狂人」(コクトー)、「あなたの娼婦と呼ばれたい」(エロイーズ)・・・等々。古今東西(もちろん日本の記事もある)の文学作品や歴史的著作を、夢・オブジェ・エロティシズムといったテーマで種々採録。2014/10/16
とんかつラバー
7
「ホムンクルス」「去勢願望」「3個のふぐり玉」などキャッチーなタイトルが並ぶが、全て2ページくらいの既存の書物の引用からなる本で、解説も何もなくネトフリでサムネイルだけ見ているような感じだった。2021/11/24
misui
3
「お前がおれの存在を信じるなら、おれもお前の存在を信じてもいいよ。これで手を打とうじゃないか」「いいわ、それでよければ」(『鏡の国のアリス』)2019/09/15
ポメ子
2
古今東西の本の中の不思議な話、生々しい話、妖しい話などがだいたい2ページくらいで載せられています。かなり昔の古典とかもあるので、一部、そういうものに、触れられるのが、ちょっとだけお勉強になった気がします。それにしても、澁澤氏の本を読むと、その博識ぶりにうならされます。2018/02/06
かんちゃん
0
読んでる内に頭がぐるぐるしてくる。ジャンルも国も時代も超えた様々な作品群が、テーマごとにくくられて登場する。コラージュでありながら、一冊の本としてきっちり成立してしまっている。多くは幻想の世界に属するにもかかわらず、現実的に起こりうることのはずの『O嬢』の強烈さにさらに眩暈。ユイスマンス『さかしま』はいつか読んでみたい。2013/08/29