内容説明
SMの美学に体当たりし、井上ひさし・筒井康隆・吉田戦車氏に激賞されたデビュー作他、最強の現代美術ボムを紙上公開し、岡崎京子・香山リカ氏が激笑した「これは餡パンではない」を併録。他二作もついてくるお得な三浦ワールド。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くにお
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表題作「M色のS景」はSMメイトの二人の会話で、Sを「演じている」女性側の心理の揺らぎが面白い(気持ちはわからないけど)。設定がとにかくカオス。「これは飴パンではない」では、優秀な美大生の男女が先生に連れられて行った現代美術展覧会で、めちゃめちゃな「アート」作品の群れに美的感覚をめちゃめちゃにされる。バカバカしくも確かにこんな作品あるよなという作品がひたすら描かれる。途中までは爆笑しながら読んでいたが、どんどんエスカレートしていく前衛性。最後は狂気。ちょっと笑えない。町田康とはまた違ったカオス感が面白い。2013/01/06