内容説明
「ヰタとは生命、マキニカリスはマシーン、機械、からくり、仕掛、つまり宇宙博覧会の機械館という程の意味です。ヰタ・マキニカリスの理想は、美少年と美少女の結合の上に生れるコバルト色の新文明です」―と著者自らが語ったモダニズムとノスタルジアに満ちた香り高い名品集。傑作「一千一秒物語」を併録。
目次
一千一秒物語
黄漠奇聞
星を造る人
チョコレット
星を売る店
「星遣いの術」について
七話集
或る小路の話
セピア色の村
緑色の円筒〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
葵衣
8
月や星たちから成る幻想的な、そしてあまりにも荒唐無稽であるタルホ・ワールドは、きらきらと美しくユーモアに溢れていて実に愉しい。特に好きなのは、「「星遣いの術」について」「緑色の円筒」「星を造る人」「星を売る店」。2018/09/12
funa1g
1
小説からエッセイめいたものまで乱雑に積み上げられているが、共通するのは足穂の幻想性。小説かどうかの垣根など、極端に言えばどっちでもよく、その美しさに浸れれば良いのかと思う。ダンセイニ風の「黄漠奇聞」が一番好き。飛行機への少年の残酷なまでの憧憬が一体となった「白鳩の記」の空の美しさも素晴らしい。SFでしばしば使われるワープ理論と同じ説明をしている「タルホと虚空」が1925年の作品なのはちょっと驚いた。この時点でもうあったんですね。2024/09/16
やぐ
1
◎天体嗜好と暴力の結合
ちび丸
1
★★★★★