内容説明
反体験主義者のユートピアとしての読書を拒絶し、都市を、地球を疾駆しながら蒐集した奇妙な“書物”のかずかず。―「髪に関する面白大全」「娼婦に関する暗黒画報」「寝ながら読む寝台をたのしむ本」「靴の民俗学を読む方法」「眠られぬ夜の拷問博物誌」など、半径1メートルの想念が彼方に飛躍する、興味つきない書物案内。
目次
髪に関する面白大全
蛙学者になるための愉快な百科
男がハーレムを持つとき
怪物たちのカーニヴァル
オズの魔法使いのスクラップブック
ニグロのための実話画報
娼婦に関する暗黒画報
寝ながら読む寝台をたのしむ本
靴の民俗学を読む方法
書物に関する本の百科〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ムッネニーク
99
74冊目『幻想図書館』(寺山修司 著、1993年1月、河出書房新社) 「書を捨てよ、町に出よう」の格言で知られる寺山修司による書物案内。著者自らが世界中を旅して蒐集した奇書、それを基にして書かれた博学多識な文章が並ぶ。 その内容はフリークス、オズの魔法使い、娼婦、靴の民俗学、マゾヒズム、拷問など多岐にわたる。 19本のエッセイが収録。一つ一つは軽い読み物だが、十分に知的好奇心を満たしてくれる。 〈たしかに、畸型は「畸型として生まれてくる」のではなく、社会的な遇され方によって「畸型となる」のである〉2023/08/12
Genki Osajima
1
畸形は「畸形として生まれてくる」のではなく、社会的な遇され方によって「畸形となる」のである。 著者が触れてきた多彩な奇書(もしくは貴書)を解説しています。特に印象的なのは「怪物たちのカーニヴァル」。畸形を取り上げたこの章を読むと、彼らに対する愛情のようなものが感じられます。恐らく寺山修司は奇なる者たちに強く惹かれていたのではないでしょうか。
もてぃちゃん
1
何回でも読めちゃう。