内容説明
「歌」を取り戻すためにはまず「声」を取り戻さねばならない―。現代文学の問題作にスリリングな読解を加えながら、戦後の言語空間に仕掛けられた禁忌の呪縛へ挑む、『成熟と喪失』以後17年を経て放たれた瞠目の長篇評論。
目次
裏声文学と地声文学
小説の自由と人生の禁忌
『寂兮寥兮(かたちもなく)』のかたち
「路地」と他界
制度としての文学
地理のない歴史
やすらかにたけ高く
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
うえ
3
「本居宜長は『うひ山ぶみ』のなかで、こういっている。「すべて人は、かならず歌をよむべきものなる内にも、学問をする者は、なほさらよまではかなわぬわざ也、歌をよまでは、古への世のくはしき意、風雅のおもむきはしりがたし萬葉の歌の中にても、やすらかに長高く、のびらかなるすがたを、ならひてよむべし」…私は、少くとも二つの点で衝撃を受けざるを得なかった…宜長はここで「すべて人は、かならず歌をよむべきもの」と断定している。いったい欧米のどんな文芸理論家や批評家が、このように大胆な言辞を筆にすることができるだろうか?」2015/09/20
yagian
1
江藤先生の進駐軍の検閲とその後の自主検閲的言語空間論はけっこう納得できるんだけど、あんまり文芸批評にそれを広げるのもなぁ。2011/09/14
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- 和書
- 理系力の活かし方