感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
A.T
17
1986年刊。忘れられた事どもが墓の中から襲いかかってくるような気分だった。忘れててゴメン、「黒蜥蜴」。水谷八重子、京マチ子、美輪明宏、坂東玉三郎。キャストだけで、本来の三島由紀夫の世界観が蘇る。「007」シリーズが60年代のポリシーを延々引き継ぐモーリス・ビンダーのタイトルデザインのコラムなども唸ったねぇ。かと思うと日本美術の名作「源氏物語絵巻」はほとんど宝塚…という、平安時代と昭和を一気に繋げてしまうワザは大胆かつ的確でさすがというしか…。2025/08/30
急性人間病
4
①完全に「好き」を「好き」のままにつらつら書いているので、とうてい総括はできない。しかしこんなナリ(文調)でもそれらの「好き」はほぼ原液に近くて末恐ろしい。特に三島・志賀・谷崎の話は論文単著レベルの濃度がワッと襲い掛かる。②ジェンダー論も多い。性差の肯定、美醜と人間性の一定の相関性の留保、現在主流の男女権力勾配論を受けない等でたぶん反発があるだろうけど、男に遭えば男を殺し、女に遭えば女を殺している点の平等性もまた確かだろう。③“自分の書いた本の数だけ、私は自分が一つになって行くので嬉しい。”(P326)2022/01/29
ちこり〜た
1
【-点】大学時代、橋本先生のエッセイは文庫版を見れば買ってて(といっても、多分この本は景山民夫つながりじゃなかったけ?)当然これも。で、20年以上経って今更感想を書こうと思ったのは、このタイトルの由来が「0011ナポレオン・ソロ」主演ロバート・ヴォーンのダジャレという、私の年でもさすがに知るか!というしょーもないオヤジギャグを忘れられずにいたからw で、今これをリメイクした映画コードネームUNCLEが、なかなか評判がよいとのこなので、せっかくだから書いておこうかな、と。それだけw
Kunio Hanaoka
1
橋本治の若い時の本が読みたくて、一番奔放に書いていそうな本を選んだ。「誰にもブスだってことを指摘されないから、ブスはブスのまんまブスであることを忘れていいと思えるようになって、性格だけは悪くなんのね」(「日本語から心理学用語を排斥しろ」135ページ)とまあ、と言いたい放題。ここまで来ると批判もないだろうという具合だ。他にも「バスト考」「スター・ウォーズ 帝国の逆襲」など読み甲斐はある。それにしても、今この調子では言えないだろうね。因みに86年刊の雑文集だ。2014/12/03
かかし
1
三島由紀夫・スターウォーズからカツ丼フィールドワークまで、《青春》を嫌悪しながら己の好奇心のままに遊び・思想する若き日の著者の雑文集。 2012/02/06