河出文庫<br> 陽水の快楽―井上陽水論

河出文庫
陽水の快楽―井上陽水論

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  • サイズ 文庫判/ページ数 226p/高さ 15X11cm
  • 商品コード 9784309402659
  • NDC分類 767.8
  • Cコード C0195

内容説明

実存的世界の中で「本当の世界」への希求はどのように変質していくのか。井上陽水の世界に超越論的欲望の変容とその行方を探り、“夢よりも深い覚醒”の彼方に、新しい批評のスタイルを切り拓いた。注目の長篇評論。

目次

陽水の快楽―ロマン的憧情と挫折
陽水の眩量―エロス的世界の体験

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しゅん

8
86年刊行。おそらく、著者の中で「青春」という言葉で表されるような物語としてのロマンティシズム(=幼少期に出会った「世界」と同一化する欲望)と、ロマンを否定するリアリズムは同根である。それは「世間」という他者と同化することをどちらも意味するから。陽水の天才は、誰もが通るロマンの挫折の後で、世間的な現実主義を徹底して無視する力にある。結果的に、陽水の物語なき夢想は、現実の手触りに最も近づく。といったあたりが、ニーチェや北村透谷やバルトやバタイユやドストエフスキーに言及する、哲学文脈を通した本書の論旨かな。2021/07/30

ashigaru99

2
すごくいい本でした。僕自身にとって陽水はそんなに好みのミュージシャンではないですが陽水の音楽が著者の心を揺さぶっていることは伝わってきますし、陽水の音楽を実存的にエロス的欲望から語っていてすごく面白いです。ロマン、美、エロスによる超越を実存的な欲望として捉えているところがすごくいいです。「意識」それ自体がエロス的(身体的)原理を持っている、という指摘はそうかもしれないと思いました。今後竹田青嗣の他の本もさらにひもとくつもりです。この本すごく良かったです。2011/03/21

katashin86

1
陽水の音楽に惹かれてはや何年たったか。わけのわからない歌詞世界を自分で語らない人であり、さまざまな他者の書き物が気になってしまう。 初版1986年、ここで著者は「メルクマール」「ディスクール」といったあの頃はやったワードを用いつつ、「実存」「彼岸此岸」といったテーマで陽水を語る。陽水その人がたぶん感覚的にやっていることを、我々聞き手がどう受容しているのかを考える上で示唆が多かった。2022/08/23

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