内容説明
ヨーロッパの名は美女エウロペーに由来する。ウエロペーにはぐくまれたヨーロッパは、また著者にとっても精神の母胎であった。昭和45年、その“眷恋の地”へ著者は初めて旅立った。かねてから心ひかれていた城、庭園、都市、美術館などを求めて、フランス、スペイン、イタリアと足をのばした後ヶ月の滞在は、視る喜び、味わう楽しみにみちた旅であった。当時の印象を中心に編まれた紀行集。
目次
バロック抄―ボマルツォ紀行
マジョーレ湖の姉妹
狂王の城
エル・エスコリアル訪問
優雅なスペイン、優雅なゴヤ
イスパハンの昼と夜―アストロラーブについて
シンメトリーの画家―谷川晃一のために
日時計について
巨木のイメージ
パリ食物誌
シェイクスピアと魔術
自分の死を自分の手に〔ほか〕