河出文庫<br> 怪物の解剖学

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河出文庫
怪物の解剖学

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  • サイズ 文庫判/ページ数 274p
  • 商品コード 9784309401799
  • NDC分類 914.6

内容説明

ヨーロッパ文化史に登場するゴーレムからロボット、自動人形に至る人工生命の数々―その系譜を発掘し、神話の時代から近代へと至る変遷をエピソード豊かに描き出しながら、創造者の条件と創造行為の深層を考察!!また近代の闇に沈潜し胎動する“独身者の機械”のかずかずに光をあてつつ、これら怪物たちが甦る来たるべき祝祭空間に思いをはせる刺激にみちたエッセイ集。

目次

ゴーレムの秘密
怪物の作り方
魔術師シモン
壜のなかの精霊
少女人形フランシーヌ
始原児の再生
自動人形庭園
マンドラゴラの旅
機械人間の系譜
ピュグマリオンの恋
ドッペルゲンゲルの彷徨
鉱物の花嫁

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゲオルギオ・ハーン

28
本書ではゴーレムやホムンクルスなどの人造生物を怪物として、それらに関する伝承や古典作品から怪物とは何を表現しているのかを考察している。単純にネタ自体も面白く、人造生物を題材にしたよくある雑学本とは違う切り口やそれらの本では出てこない知識もあって面白い。人間のような姿の人間でないものを生み出すこと、またそれを愛するとはどういう心理なのかということも各章で考察していて面白い。人間でないものを愛するという点でいくと『ピュグマリオン』は古代からある愛の難解さ、人間性の混沌の象徴のように思いました。2022/07/14

またの名

10
座標を用いて代数と幾何を融合しコギトの確実性から精神と身体の二元論を導いて近代の幕を開けた哲学者デカルトは、幼くして死んだ娘の名をつけた人形を、生きた少女であるかのように可愛がっていたという伝説。あるいは、ユダヤの秘法によって土塊から創造されたが人間が造り出したため言葉を持たない巨体のゴーレム、フラスコの中で精製されたホムンクルス、地面に落ちた死刑囚の精液から生長するとされる植物マンドラゴラなど、正常な創造行為もしくは生殖行為が産み出したのではない人外の存在についての考察集。怪奇な世界の一部を博識が案内。2016/03/31

澤水月

6
怪物というよりホムンクルスやマンドラゴラ、ゴーレム、機械人形などヒトガタのもの一覧。若い頃は澁澤ばかり読んで食指が動かなかったけど今読んでも少々難解に感じた。エッセイ読んでみようかな2012/06/19

グラコロ

4
澁澤さんといえば種村さん。ゴーレム、自動人形、吸血鬼、映画。素敵な世界。 グラコロ堂〈人生で影響を受けた100冊〉 https://bookmeter.com/users/626279/bookcases/115521731996/04/27

eirianda

4
わたしなら別に作りたいと思わない人間に寄せた生き物。男性が決して我が身から産みだせないヒトの替わりに、ホムンクルスやらゴーレムとか、妄想の怪物を作ってしまったのかしら? 人形を作る人の魂の込め方…石黒先生のロボットが脳裡によぎる。ドッペルゲンガーでもある。2015/05/29

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