内容説明
フロイト、ユング、フロムらの徹底批判を通して無意識の抑圧にメスを入れ、土居健郎『「甘え」の構造』漱石『こころ』トーマス・マン『ヴェニスに死す』の分析を通して良識の無知と偏見と責任放棄を弾該、返す刀でホモ雑誌に群がる欲望のたれ流しにトドメをさす―。“真実の人”橋本治が幼児語を駆使して“おじさん”社会に敢然と立ち向い、開かれたコミュニケーションをめざした痛烈評論!
目次
第1章. 使用上の注意をよくお読み下さい
第2章. フロイトは“おじさん”だった
第3章. きみがこわがっているそのことについて
第4章. BOYS’ LIBERATION
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tyfk
4
どうしてこんな書き方しかできないのかなと(あの頃のは、と限定すべきか)なんとも広がりのない思いつきと理屈を、ああだこうだ延々しつこくこねまわしてる。教祖さまに詰問されてるような感じ。2024/11/01
静かな生活
3
名著だな、こりゃ。2022/06/19
けいこう
3
なんだか、ひどく強い力で殴られたような気分だ。2015/11/05
せと
3
橋本治の本を読むのは本書が初めて。「アタシと寝まショ♡」のようなふざけた文体で書かれているのだが、著者は自らの文体を「幼児語」と称し、それを「ふざけた文体だ」と思う人=「自分のこともよくわかってないのに社会の言うこと聞いて大人ぶってる"おじさん"」の頭こそを批判する。その皆がわかってない「自分のこと」つまり人間の本質とは結局性(セックス)だろ、というのが本書の要旨である。恐らく。語り口は文体や精神分析、ゲイ雑誌と移り変わり、更に文体は圧倒的に濃いのでので眩暈がするが、今後も他に類を見ることのないだろう本。2013/07/19
じょーねつ
3
1982年初版。ホモ論であり文体論でありフロイトをはじめとする近代知識人批判でありゲイ雑誌の読者投稿批判をはじめて…とめちゃくちゃに領域を横断しつつ最終的に全部つながってるスゴ本。「テメエの頭で考えろよ!」と世の中への苛立ちがモロに出ている初期橋本治の文章のキレ具合はヤバい。文体がそのまま思想。2013/04/19