出版社内容情報
物語はあなた次第で進行するのに、行きつく果ては毎度おなじみ、ナンセンスの極み。さらなるエドワード・ゴーリーの大傑作!
著者等紹介
ゴーリー,エドワード[ゴーリー,エドワード] [Gorey,Edward]
1925年、シカゴ生まれ。2000年没。独特の韻を踏んだ文章と独自のモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表した
柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年、東京生まれ。アメリカ文学研究者。2005年、『アメリカン・ナルシス』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞受賞。ほかの著書に『生半可な學者』(講談社エッセイ賞受賞)などがある。2010年、ピンチョン『メイスン&ディクスン』(上・下、新潮社)で日本翻訳文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
buchipanda3
95
今回はページごとに分岐があって行き先が変わるという趣向。最初は分岐を気にせず一通り読んで、次はちょっと考えて選びながら進んでみる。途中、天邪鬼みたいに選んだら無限のループへ。そりゃそうかと素直に進むと、控えるはグッドエンディング?、バッドエンディング?。いや、これはゴーリーらしい終わり方…。4匹のモンスターたちは何だろう、おもちゃみたいにも見えるし、意味なく争い続ける何かの比喩なのか。それにしても彼らが居る大きな指の世界が不気味すぎるよ。2019/11/06
藤月はな(灯れ松明の火)
89
余りにもシュールなゲームブック。奇妙な4人(?)は指の第二関節までが大地から飛び出している外では、意外なものを妙ちきりんな方法で武器にして互いを攻撃する。一方で家の中では4人揃っている。ゴーリーが自分でぬいぐるみを繕う程、好きだったフィグバッシュも登場しています。因みにゲームブック方式を試したら、とんでもない結果になりました。行き急ぎすぎだ(笑)2020/01/19
aquamarine
85
出てくるのは4人?の登場人物たち。見開きに緻密な絵とワンセンテンス。不気味な指のオブジェが目を惹きます。今回違うのはそれぞれにゲームブック形式で次に進む選択肢があること。選択肢を選んで読む。選択肢を変えて読む…。毎回違う物語が展開する…?どんな選択肢を選んでどんな経路を通っても狂瀾怒濤の末、選んだ結末はやっぱりゴーリーらしいのです。残酷、不条理、ナンセンス…今回はそれらよりもシュルレアリスムの単語がぴったりくる気がします。29endの方が好み…と思いながら本を閉じて裏表紙に思わず瞬きをしました。Oh!! 2019/11/28
鱒子
81
図書館本。ゲームブック形式の本。流石ゴーリーです、実にシュール。型通りのハッピーエンドなんて期待しちゃいけません(笑 互いに攻撃し合う4人のキャラクターに翻弄され、行きつ戻りつ、すっかり作者の掌のうえです。2020/01/19
☆よいこ
69
分類726。まさかのゲームブック。奇妙なキャラクター4匹(人?)が登場する。毛むくじゃらで長いネックレスをさげたスクランプ。頭頂部まで白いシーツに包まれ細いリボンをつけたナイーラー。腕を三角巾で吊り木の杖を持っている鍋を被ったフーグリブー。真っ黒で長い腕を振り回しているフィグバッシュ。お互いに小狡い攻撃をし合い、たまに赦しあい、彷徨い歩く。▽惨めな人生、惨めな終末。後ろ表紙がとても陰惨。▽どの場面も背景まで黒々と書き込まれゴーリーの魅力満載。2022/01/30