感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
らぱん
40
子供のころ「マッドメン」を読んで驚き、呪術やプリミティヴ文化を意識したきっかけとなったように思う。独特な作風は異彩を放っていた。前半は「マッドメン」の漫画家諸星大二郎と「奇界遺産」の写真家佐藤健寿のパプアニューギニアの旅行記だ。カラーで諸星の絵や佐藤の写真を味わうことができる。後半のメインは、諸星ファンである細野晴臣と高橋留美子との、また諸星と同期である萩尾望都との対談だ。宮崎駿も諸星ファンとして有名らしい。シリーズ紹介や解説、人物紹介もあり「マッドメン」が好きな人と興味のある人が楽しむマニアックな本だ。2019/09/29
kokada_jnet
37
諸星作品では「ゴドワを守る先祖の霊」となっていた、泥仮面をつけた裸で踊る男たち「マッドメン」は、1957年に観光客向けに作られた、「作られた伝統」キャラクターだったとのこと。諸星大二郎は、他の漫画家の作品は読まない人だと思っていたが、萩尾望都との対談によると、萩尾作品はずっとリアルタイムで読んできたとのこと。諸星先生の神秘性が…崩壊。2019/12/25
ぐうぐう
32
2015年に刊行された『諸星大二郎 マッドメンの世界』の増補決定版。新しく追加されたのは、新規6点を含む「現地でのカラースケッチ大公開!」、同行したカメラマン・佐藤健寿のエッセイ「ハイランド地方の部族たち」、諸星による「マッドメン カラーイラストギャラリー」、そして目玉が「萩尾望都×諸星大二郎」対談。二人は同い年(つまり、二人とも24年組というわけだ。笑)、デビューもほぼ同じ。そんな二人が、対談のほとんどを画について語っているのが印象的。(つづく)2019/09/15
Aa
3
ずっと気になっていたけど、ついに読めた!正直、佐藤健寿さん目当てで買ったのだけど、マッドメン読んでみたくなった!2019/11/24
角
2
2015年の『諸星大二郎 マッドメンの世界』の改訂版だが、ハードカバーで保存性が増したのも嬉しいし、増補されたコンテンツも楽しい。前半の紀行文+写真はどれも色彩に満ちあふれていて異世界に連れて行かれそうな誘惑に満ちているし、後半の対談はそれぞれ著者の人柄がほの見えてつい微笑んでしまう。しかし紀行文を読んでいると、著者の体力のすごさ、若さに感嘆する。自分が同行したとしたら……ついていける自信が全く無い。2019/10/14