出版社内容情報
漫画家、エッセイスト、江戸風俗研究家として活躍した杉浦日向子の、「毎日新聞」書評集成。愛読書から杉浦ワールドへ!
杉浦 日向子[スギウラ ヒナコ]
内容説明
江戸を愛して愛されたひとが、「ともにたのしむこころ」で津々浦々の書物の国にわけいり、そぞろにその素晴らしさを味わいつくし、綴り上げた漫遊の記録。単行本未収録書評エッセイ集。
目次
1 江戸と東京のあいだ
2 鳥獣虫魚、生きもの談義
3 美しく悲しい、ひとの営み
4 自然と文明のゆくえ
5 抱きしめたいアート
6 物語に読み耽る愉しみ
著者等紹介
杉浦日向子[スギウラヒナコ]
1958年東京生まれ。漫画家・江戸風俗研究家・文筆家としてテレビでも活躍した。1984年「合葬」で日本漫画家協会賞優秀賞、1988年「風流江戸雀」で文藝春秋漫画賞を受賞し、1980年代の江戸ブームを牽引した。2005年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
87
杉浦さんの今までにメディアに出なかった書評集です。六つの分野に分かれていて、Ⅰ江戸と東京のあいだ、Ⅱ鳥獣虫魚、生き物談義、Ⅲ美しく悲しい、人の営み、Ⅳ自然と文明のゆくえ、Ⅴ抱きしめたいアート、Ⅵ物語に読みふける愉しみ という構成になっています。とくにⅡとⅣは杉浦さんの書いてあるもののイメージとはかけ離れていてこのようなものも読んでいたのだと改めて考え直しました。ほとんど有名でないものが多く私などが読んだものもあまりなく、今後読みたいと思うものが数多くありました。2022/09/03
優希
49
書評集でした。江戸人である杉浦さんが旅する本はジャンルも幅広く興味をそそります。2022/08/24
ぶんぶん
23
【図書館】中身を知らずにリクエスト。 書評集だった、1993年から2000年に掛けて、「毎日新聞・書評委員」として朝刊に発表されたものです。 彼女の読書は多岐に及びシェイクスピァから平家物語まで縦横に網羅する。 江戸時代の話が多いのかと思いしや、とんでもない美術の話、魚の話、ジェンダーから映像論、かと言えば童話の世界・・・自由に本の世界を闊歩してる。 タイトルで騙された感があるが、そうでもしないと読まなかったかも知れない。 ますます、氏の人生に興味が湧いたと言った次第。 2022/08/20
ドナルド@灯れ松明の火
20
杉浦さんの書評集。多岐にわたる本を読んでいらっしゃったんだなぁと感服した。あまりにもジャンルが広く、追いかけている私もついていけない位の冊数である。杉浦さんの隠居宣言時代の含蓄ある発言・作品にはこうした幅広い知識があったんだと納得した。お薦め2017/06/26
mahiro
16
江戸人杉浦さんが幅広い分野の本を旅するが如く楽しんだ書評。民俗からアート、医学、締めの内田百閒まで、いつもの江戸を語るエッセイのように引き込まれてゆく。ジェンダーの事スローフード、ミジンコの命、赤ずきんの話…杉浦さんの語りは面白くて少し切ない。出て来る本の多くは読んでないか題名だけ知っているというものだった。2021/05/26