出版社内容情報
1950年代に鮮烈なフォト・コラージュ作品を発表した岡上淑子、国内初の作品集、待望の刊行! 全作品一覧表掲載の決定版。
【著者紹介】
1928年高知県生まれ。文化学院デザイン科卒業。22歳から約6年間独自にコラージュを制作。瀧口修造に見出され、タケミヤ画廊で個展。2000年、44年ぶりの個展「夢のしずく」開催後、国内外で作品を展覧。
内容説明
幻のフォト・コラージュ作家、半世紀の時を超えて国内初の作品集、待望の刊行。自選作品77点および全作品一覧表収録の決定版。
著者等紹介
岡上淑子[オカノウエトシコ]
1928年高知県生まれ。文化学院デザイン科卒業。22歳から約6年間独自にコラージュを制作。瀧口修造に見出され、タケミヤ画廊で個展。2000年、44年ぶりの個展「夢のしずく」開催後、国内外で作品を展覧(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
280
岡上淑子自身が後の対談で、瀧口修造とマックス・エルンストの名前を挙げているが、それを聞くまでもなく、どの1点をとってもこれらのタブローは紛れもなくシュール・レアリスムの典型的な表現である。言葉での表現の難しいシュール・レアリスムとは、という問いには、例えばこのようなものですと差し出したくなるくらいに。思えば、コラージュという技法はシュールには最適であるかも知れない。ここにあるのは、まさにロートレアモンの「解剖台の上のミシンとこうもり傘の偶然の出会い」なのだから。それにしても、これら一連の作品が持つ⇒2015/12/21
コットン
70
どこか感情を揺さぶられるコラージュ作品で、巻末にインタビューなどがあるのも嬉しい。作品で好きなのは金井さんの『ピース・オブ・ケーキとトゥワイス・トールド・テールズ』の表紙でもお馴染みの『彷徨』と、額から抜け出した妖精のような女性とそれを視るスーツを着た男性とその男性をスパイするかのような蝶が浮遊する『美学』も良い!2018/01/09
弟子迷人
53
コラージュの細部に至る細部までが語りかける、「私たちは自由よ!」と。……ただ見る者は、陶酔の時を過ごそう。巻末の方に小さく載っている作品も、全部大きく載せてもらえたら、もう至福だったのですが。>< 「マックス・エルンストの不思議の国のアリス」とも評されたそうですが、はるかに素敵です。ぜひ!2015/03/29
yn1951jp
41
岡上は「つくる」のではなく「できるんです」という。国が負けて、女性が解放され、自由を探る時代になったと、若いお嬢さんは単純に思っていました。コラージュは、そんな私の青春……女性の心のひだを視覚化すると、こんな辻褄の合わない光景に……彼女は蛇の目のように冷たく私にからんでくる……海を翔る性、苦悩のレダ、郷愁の罠……私は咲いた女の怨に狼狽します……彼女達は誇らしげに囁く「私たちは自由よ」……世界に稀有な現代日本の少女文化の萌芽を感じる、60年前の奇跡のような作品群が今甦る。2015/06/21
橘
25
とてもうっとりとした時間でした。モノクロの世界が、不穏を孕む美しさで目にしみこんできます。素敵。2015/05/05
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- 和書
- 応神天皇の正体 河出文庫