内容説明
17カ国語以上に翻訳された本書は、世界で最も広く用いられているデッサン技法書です。絵を描く才能など自分にはないと思っている人、いまさら教えてもらってもむりだという人。あるいはプロの画家、画学生、日曜画家として日常的にデッサンに親しんでいる人たちにとって、この本は自分の能力に大きな自信を与え、芸術への考えを深め、この世界への新しい見方を提示してくれるものとなるでしょう。
目次
絵を習うのは、自転車の練習と同じこと
描くための第一歩
あなたの脳、その右側と左側
左から右へ、脳の境界を越える
子供のころは誰でも芸術家だった
エッジとはなにか―輪郭線は2つの部分の境界線
スペースとはなにか―ネガとポジ
相互関係とはなにか―遠近法のレッスン
人の顔を描く―肖像画のレッスン
光と影、「ゲシュタルト」について
新しい知覚の技能で創造性の悩みを解決する
内なる画家のめざめ
著者等紹介
エドワーズ,ベティ[エドワーズ,ベティ][Edwards,Betty]
カリフォルニア州ラホヤ在住。現在はカリフォルニア州立大学ロングビーチ校の美術学部の教授を引退し、大学、美術学校、ビジネス関連企業の招きで定期的に講演をしている。UCLAから美術、教育、認知心理学の博士号を取得
野中邦子[ノナカクニコ]
東京都生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ミライ
34
世界で最も広く用いられているデッサン技法書(第4版)。私たちは普段、言語能である左脳と、イメージ脳である右脳の両方を使っているが、脳を右脳寄りにもっていくことでイメージの力を最大限発揮させて、絵を描く方法が解説される。解説+実践編といった内容で、解説を読んだ後に実際に絵を書いて成果を試すことができる。かなり実践的で脳科学的視点でのデッサンに興味がある人向けの作品。2022/02/11
だいだい(橙)
22
いい本だけど書いてあることをきっちりやりとげるのはひとりでは難しい。人の横顔を描くことは頼まないと無理なので近々妹か友人にモデルを頼むつもり。そして私の絵はあまり上達していないので最初からやり直さないとダメな気がする。でもいい本ですよ、ちゃんと言ってることをやればたぶんうまくなる。たぶん。2024/10/06
デビっちん
19
再読。絵を描くためには脳の異なる2つの役割を理解することが大切です。また、絵を描くプロセスは、そのまま運動機能の習得や仕事の問題解決にも役立ちます。絵の細部を理解するモノと全体を見るモノ、前者は言語的分析なLモードが、後者は視覚的知覚的なRモードと筆者は定義しています。絵を描くには、いかになじみ慣れ親しんだ言語支配的なLモードの発動を抑え、Rモードにアクセスできるかが鍵です。最初は意識しながらの全体的技能は、やがて自動的なモノになります。Rモードを発動させるには?2016/08/10
デビっちん
18
再読。ありのままを見ているつもりが錯覚だったとわかります。本書の描き方に従って絵を描くと、それがわかります。ありのままを見ているようで、脳が勝手に解釈してしまっているのです。絵が上手くなるだけでなく、目の使い方頭の使い方が変わります。2020/10/16
小木ハム
18
あちらこちらで名前が挙がる本書。技法が学べることはもちろんですが、それ以上に"右脳の使い方"について実践的な内容となっております。絵を描くコツは、ネガ・スペースをとらえる事とエッジをくっきり描く事でしょう。これだけで大抵のものはそれっぽく見えるようになると思います。左脳を使わない描き方、すなわち『木を見ずに森を描く』非常にしっくりくる言葉と出会えました。漫画絵(=記号)の練習は、手癖で描くバリバリ左脳描き。練習の基本はやはり右脳描きのデッサンなのですね。2019/05/28