内容説明
昔むかしの大むかし、…あるいはつい昨日のこと…伝説に包まれた山。登った者は誰もいない。人々は恐れて、近寄りもしない。一人の男が麓に立った。そこにはこんな案内板が。「目を凝らすべし」―男はためらったが、登りはじめる。足元の道を見つめつつ、一歩、また一歩。本の芸術家による、芸術家についての寓話。
著者等紹介
トゥルコウスキィ,アイナール[トゥルコウスキィ,アイナール][Turkowski,Einar]
1972年、ドイツのキール生まれ。高校卒業後、舞台美術を勉強する。その後ハンブルク応用科学大学に入学、イラストレーションの講座を受講。デビュー作『まっくら、奇妙にしずか』は、トゥルコウスキィの卒業制作として作られ、レーゼペーター賞などドイツ国内の絵本賞を受賞し、さらには2007年のブラティスラヴァ世界絵本原画展でグランプリを受賞した
鈴木仁子[スズキヒトコ]
1956年生まれ。名古屋大学文学部卒業。名古屋大学大学院博士課程前期中退。椙山女学園大学国際コミュニケーション学部准教授。2003年、優れたドイツ語翻訳者に贈られるドイツ連邦共和国レッシング翻訳賞を『アウステルリッツ』(ゼーバルト著、白水社刊)で受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nuit@積読消化中
94
タイトルからもっとおどろおどろしいものを想像してましたが、トゥルコウスキィに限ってやはりそんな話ではなかった。止められても脅されても、やって来てよかった。そして次なる山に向かうんですね。人生みたいでなんだか考えさせられました。とにかく一つ一つの絵が文句無しに素晴らしい。2016/06/11
sin
71
「目を凝らすべし」作者の指南によらずとも、趣は細部に宿ってその目を楽しませてくれます。そして最後に「ほらね?見続けるべし」次に控える山が…そして当然次の山に挑むためには谷に降りていかなくてはなりません。そう僕達の人生みたいに…さて僕はちゃんと目を凝らして生きてこれたでしょうか?どんな山に挑んだのでしょうか?それとも…。2016/07/07
Natsuki
69
誰が名付けたか『おそろし山』。それでも好奇心という名の欲望に抗えず、不気味で奇妙なその山に足を踏み入れてしまった男がひとり。。。アイナール・トゥルコウスキィの描くモノクロームのアナザーワールド。・・・珍しく縦に細長いサイズも『おそろし山』に合っている。不安を煽るような空白の部分は計らずもなのか、意図してなのか勘ぐってしまうほどに。不気味な中に垣間見えるちょっぴり可愛くてユーモラスな絵も。ただ、決して登りたいとは思いませんが(((^^;)2016/06/05
あたびー
23
#日本怪奇幻想読者クラブ おそろしいから登るなと言われている山に果敢に挑む人物。「目を凝らすべし」のサイン。登ってみれば様々な幻想的風景が目に入る。オススメされた本。素敵でした!なるほどゴーリーに通じるモノトーンのペン画。ゴーリーより線が細いかも。こちらは細部まで探して色々見つけて喜ぶタイプ。(ゴーリーにも白い紙片を探す楽しみは有)目を凝らせば凝らす程発見がありそうです。2019/08/17
小夜風
20
【図書館】先の2冊と変わり縦に長い絵本になり、絵も大きくなってその緻密さがより味わえるようになっています。これは原画を見てみたい~!お話はますます判らなくなってる(笑)。指輪物語っぽかったかな。挿し絵が付いてるのに、これ程想像力をかき立てられる絵本も珍しいのでは…。好きです♪2014/10/30
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