内容説明
リリシズム、崇高、繊細、数々の言葉が冠されるジャズ・ピアニストの真実を探り、もうひとつのエヴァンス像を描き出す。ユーモア、耽美、静謐、作品と共鳴する生涯を、魅惑する文章で綴った改訂版。
目次
ビル・エヴァンスへの手がかり
プレインフィールド
ニューヨーク
マイルスとの日々
スコット・ラファロの出現
ザ・ファースト・トリオ
1961年6月25日、日曜日
ドラッグと成功の甘き香り
モントルーと伝説のトリオ
野望と挑戦、そして失敗
しのび寄る影
アイ・ウィル・セイ・グッドバイ
著者等紹介
中山康樹[ナカヤマヤスキ]
1952年大阪府生まれ。音楽評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
J.T.
7
ビル・エヴァンズの知名度(当時はそこまで有名ではないものの)でヴィレッジ・ヴァンガードでの当時のギャラが一晩10ドル。マイルス・デイビスのアルバムに参加したギャラも似たような金額でやっていたわけだから、ジャズメンはレコーディングやステージの数をこなさないと生活出来なかったのだ。おかげで技術も上達するし、新しいものも生まれたんだなと思った。2017/07/03
Look
5
素直に面白かった。ビル・エヴァンスの人柄がよく伝わった。神経質で危うげな、それでいて繊細な演奏の裏側を知れた気がする。年賦や索引があるとなお使いやすかったな。あと、全作解説とか。本書を読んで、よりエヴァンスを聞こうという気になった。2016/10/17
さっちも
5
もっと理知的でクールな人を想像してた、、、、晩年のヨーロッパツアー中の話。ドラック起因の合併症でパンパンに膨らんだ手と指。隣の鍵盤押してしまうような状態で24会場を周っている時にこう話したらしい。「マークやジョーと演奏するのが楽しみでしょうがない。どうか私からその楽しみを奪わないでほしい。いつも最後の曲を演奏するころには、もっともっと演奏したくなって困ってしまう」。私はジャズについて、あまり良くは知らないが、結構世界にはいりこめた。エヴァンスをより好きに、より楽しむことができそう。2016/03/06
かず(・∀・)ノ
5
ブログにも書きましたが、想像していたライフスタイルとかけ離れていてジャズマンは誰でもクスリとお酒に溺れやすいんだと知りました そして、残したレコードも絵画と一緒でスグには評価されないのが多いと言うことを2015/04/23
imagine
4
サウンドもビジュアルも非常に整然としたイメージのビル・エヴァンス。その彼がユーモアにあふれ、ドラッグに溺れていたという意外さ。これだけで十分読む価値はあるのだけど、本書はディスコグラフィーやメンバー変遷まできっちりと押さえてくれる。ただ、読み物としての面白さよりも資料的価値にウエイトが置かれたようで、読後はお役立ち感を満喫。2017/01/09