内容説明
夜の帳が降りると、見慣れた風景は別世界になる。日本の夜を発見する、まったく新しい旅への誘い。美しくて不思議でどこか懐しい、17の夜の旅。
目次
「旅の夜」でなく、「夜の旅」へ
夜の海でマイクロ人魂を獲る。
世界に誇る大低山に夜登る。
トンネルさまの闇に滞在する。
雪解けの夜を聴く。
コウモリと錯聴の地底川を登る。
夜景を浴びながら、月の出を待つ。
屋外最高の暗闇、五月闇を歩く。
夜の庭に星を呼び、部屋の星を拝む。
絶海の孤島で漆黒の夜を体感する。
人造火山島で最深夜の火口に沈む。
黄金の洞穴をハシゴする。
巨木と無響室の広大な真っ暗闇。
今さら蛾を愛せるか、温泉の夜。
深海の闇と光を出迎えに行く。
穴に入って戦時中へ旅する。
石の海に浮かぶ里で、採掘場にダイブする。
ケータイの光を頼りに闇を歩く。
著者等紹介
中里和人[ナカザトカツヒト]
1956年、三重県生まれ。84年よりフリーカメラマンとして活動
中野純[ナカノジュン]
1961年、東京都杉並区生まれ。体験作家。夜山ガイド。有限会社さるすべり代表(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ネムコ
25
古の日本人が近く親しんできた闇。五月闇が、厚く雲の垂れ込めた梅雨の夜闇だとは知らなかった。闇とその中で光るヒカリモやウミホタル。闇を照らす月や星。それらへの讚美をエッセイと写真で綴ったフォトエッセイ。もっと写真の割合が多いかと思いましたが、いろんなところを訪れた作者ががっつり語っています。夜旅がしたくなりました…が、夜の登山はたぶん救助隊を要請することになりそうなので自粛します(笑)2017/10/27
HERO-TAKA
6
日本の景色のほとんどは夕暮れから夜が一番美しいと言い切れる作者の夜の旅を収めた旅行記。ひとつの旅の分量が長くなりすぎず、美しい写真も挿入されていて読みやすい。闇の中で「光」を観る。それこそ「観光」。夜に外に出たくなる1冊。2017/08/16
kinaba
2
☆「本来夜に観光するもの、夜に観光した方がいいところがたくさんある。その多くを私たちは見逃してしまっている」。まさにまさに。この本は闇の中で山や海や鍾乳洞や、非人工物を愛でることが中心だけれど、同著者の他の作品も他の夜を写していて楽しそうだ。読む2011/07/03
アルクシ・ガイ
1
嗚呼ナイトウォークしたい。2013/08/07