内容説明
1973年秋、140分の『エクソシスト』ファースト・カット完成。1973年末、122分の『エクソシスト』ファイナル・カット公開。「どうして15分以上も切ったんだ」と問い詰める原作者ブラッティ「映画は短ければ短い方ほどいい」と主張してやまない監督フリードキン―そして2000年秋、ついに132分の『ディレクターズ・カット版』公開。神と悪魔の対決をもしのぐ原作者ブラッティと監督フリードキンの闘争―四半世紀以上にわたるクリエイター同士のバトルを克明に追跡調査した、『エクソシスト』のすべて。
目次
第1章 発端
第2章 崖縁
第3章 黒く深き淵
第4章 我が号泣の御前に至らんことを
巻末付録 二人のビル『エクソシスト』立役者二本立て
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヒライヌス
3
原作者のブラッティさんが「お願いだからこのシーンは残して」と懇願するのをフリードキン監督が「ここ邪魔。これも邪魔」と切りまくり、しまいに「そんな説明セリフ欲しいんだったら、お前が映画館行って客に説明してこいよ!」とか言われてて可哀想になってくる。2011/03/10
Zen-zen
2
分析も緻密で、掲載されてる情報も興味深いんだけど、なんか「薄い」感があり。あとがきに原書はBFI(英国映画協会)の Modern Classics 叢書の一つだとあり、納得。この叢書の本は何冊か持ってるが、基本的にブックレット。「バトル・オブ・エクソシスト」の原書も120ページ。それを288ページの本にしたのだから、「薄い」と感じたのも当然。とはいえ、良書であることは間違いない。映画が監督個人のものではなく、集団芸術であることを改めて確認した。他のスタッフの意見が正しいこともある。だから映画は面白い。2012/01/08
リEガン
1
刊行時以来12年ぶりとなる再読。二人のビルが映画「エクソシスト」をめぐって因縁のバトルを繰り広げる。傲慢で鼻息荒い鉄面皮監督フリードキンの変節には笑うしかない。穏やかなレバノン人のカトリック教徒ブラッティでは荷が重すぎる相手だ。ただ74年7月26日に満員の福岡ピカデリーで観たオリジナル(ファイナル・カット)はやはり、個人的にディレクターズ・カット版よりも数段好きなことを本書で再認識した。原作に沿った目次が洒落ている。…と書いているところにウィリアム・ピーター・ブラッティの訃報。ご冥福をお祈りしたい。2017/01/13
ヤマダ キヨシ
0
☆☆2013/02/15
gold-fish
0
確かにこれを読むとフリードキン監督の傲慢さにスポットがあたるし、それは紛れも無い事実でしょう。(この本には書かれて無いけど噂では泣かせるシーンで本当に殴ったとか聞いたことあり。)だけど細かく検証していけばしていくほど、この監督じゃなければここまでの作品にはなっていなかったであろうことがよくわかります。2012/12/01