目次
全体化をうながす抽象化こそが僕らの「敵」だという認識をつうじ以下、講義で扱う作品を限定しよう
古屋兎丸の「引用」漫画では文化的に異質な線が混在し作者自身の身体性も消去される
構図の狂い・細部への偏執…兎丸の犯罪的な「エミちゃん」は新型式ハイパーリアルの大問題作
千原浩史の身体的展開力はライヴコント「拓ちゃん」でついに松本人志と肩を並べた
多数派/少数派の回転装置となる千原兄弟の『PINK』ではとりわけピンクの配色に注意せよ
「蝦」なら「蝦」を凝視するだけで世界は簡単にくつがえされる―高橋洋は大和屋竺からそう学んだ
『女優霊』、それに『呪怨』では「怪異」が無方向に連続することで空間が多孔状の恐怖へと変成する
記号化→具体化→階級化という階梯を昇ってきた女の歴史が戸川純、そして椎名林檎を準備した
椎名林檎『勝訴ストリップ』は「罪」を列挙したのち哲学的に「罰」と救いとを等号で結ぶ
佐内正史論をはじめるために「散歩者の稀薄な身体」について草森紳一の著作から学んでみよう〔ほか〕
著者等紹介
阿部嘉昭[アベカショウ]
1958年、東京生まれ。批評家。現在、立教大学非常勤講師
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