著者等紹介
ゴーリー,エドワード[ゴーリー,エドワード][Gorey,Edward]
1925年、シカゴ生まれ。独特の韻を踏んだ文章と、独自のモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表している。またE・リアやS・ベケットらの作品の挿画や、劇場の舞台美術なども手がけた。その幻想的な作風と、アナグラムを用いた(Ogdred Wearyなど)ペン・ネームを使い分け、たくさんの私家版も出版したために多くの熱狂的コレクターを生みだした。2000年4月15日、心臓発作のため死去。享年75歳
柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年、東京生まれ。アメリカ文学研究者、翻訳者。東京大学文学部助教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中玉ケビン砂糖
161
、なんだかつい先ごろ(というか今も)、読メでゴーリー、書店に行ってもゴーリー、雑誌をめくってもゴーリー、そしてゴーリー展というふうに、馬鹿みたいにゴーリーが流行っているみたいなので、便乗して読んでみた、地元の図書館のキッズコーナーにあるのかな……(キラキラしてて、むさいオッサンは入りづらいのだ!)、と調べてみたら予想に反して「芸術」のジャンルにあって意外だった 2015/03/20
風眠
156
お金持ちで、なに不自由なかった少女が、両親の死によって不幸のどん底に突き落とされる…と、ここまではよくある設定。ここからがこの絵本の怖いところで、徹底的に、完膚なきまでに、不幸の底へと落ちていく少女。ラストで少しは報われるのかと思いきや、これ以上ない悲惨さで幕が下りる。緻密で執拗な線描で描かれた絵、容赦のないストーリー、子どもの頃に読んでたとしたら、絶対トラウマになってた。予定調和は無し、かと言ってブラックなだけじゃない。頑張っても無理なものは無理と、運命の過酷さと真実を嫌ってほど突き付けてくる絵本。2013/08/06
KAZOO
143
最近ゴーリーの絵本を少しまとめて読んでいるのですが、この作品は、非常にブラックな感じです。黒一色の線で描かれていて各ページには不気味な小さな動物や手や足だけがかかれています。物語だけだとかなり悲しい話(不幸を一身に背負った感じで最後も何でこんな結果にという気はします)となるのですが、ゴーリーのこの作品だということで読むとさほど悲しさはあまり残りませんでした。2018/10/10
ちはや@灯れ松明の火
141
憎まれっ子が世にはばかるなら素直なよい子が生きにくいのは自明の理。優しくてお金持ちの両親と、大きなお屋敷にすてきなお人形、シャーロット・ソフィアはなんて幸福な子供。だけどちらちらと悪魔の影が見え隠れ。父は出征し殉職、母も衰弱し夭逝、ひとりぼっちになったシャーロットはかわいそうな子供。寄宿舎では理不尽ないじめが横行、耐えかねて逃げた先には更なる奈落、悪魔ももう堂々と傍をうろついてる。変わり果てた姿になったシャーロット・ソフィアは本当に不幸な子供、でも最後の最期の真実を知らないのなら幸福なのかもしれないね。 2016/08/18
gtn
134
ハッピーエンドで生を終えることは稀である。この現実に眼を逸らせてはいけないという警句か。単にV.R.ラングを亡くした悲しみをぶつけているだけかもしれないが。2020/03/05