映画狂人、神出鬼没

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  • サイズ B6判/ページ数 295p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784309264066
  • NDC分類 778.04
  • Cコード C0074

内容説明

厚田雄春、アンゲロプロス、イーストウッド、楊徳昌…いま、映画の世紀が戻ってくる。

目次

1 映画!映画!映画!(教訓としてのアメリカ―ストローブ=ユイレ『アメリカ』;黒沢明の語る山中貞雄;泣いてはいけないと彼女は言った―ダニエル・シュミット『今宵かぎりは…』 ほか)
2 映画狂人、名画の旅(親独政権下の典型的作品―マルセル・カルネ『天井桟敷の人々』;「面白い」の一語に尽きる―セルゲイ・エイゼンシュテイン『戦艦ポチョムキン』;影落とす「台湾」の複雑さ―侯孝賢『悲情城市』 ほか)
3 映画史の記憶に(厚田さんの死に、まだ慣れることはできません。;ガブリエル・ヴェールと映画の歴史;映画における男女の愛の表象について―ヘイズ・コードを中心に)
4 映画狂人、映画BEST(とりあえずのベスト160;ウエスタン・ベスト50―どこまでもハリウッドにこだわった上でのベスト;アクション映画・ベスト50)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

踊る猫

26
安定の蓮實節。語られる映画監督の顔触れが大体誰なのか予想がついてしまうきらいがあるが、それでもここまで多くの映画を観ていることを知ると、単なるインテリのキザなヒマ潰しではなく心底映画というものを愛しているのだなと思わされざるを得ない。短文が多くて比較的読みやすい。蓮實重彦が難解だという方は、まずこの本から始めてみてはどうだろう。難解なことは蓮實はちっとも書いていない。知的エンターテイメントをこちらに読ませる、老獪な香具師である。香具師の口上に載せられて映画を観に行くのも悪くはあるまい。本当に神出鬼没である2018/10/21

しゅん

17
気になった箇所を飛ばし読み。ほんとに中身のないことをさも誇らしげに語る言葉が楽しくてならないし、オリヴェイラが世界最大の映画作家だという理由が「小津と誕生日(かつ命日)が一緒だから」あたりはほんとすごい。「封建的」とか「貴公子」とか時代がかったレトリックも意表をついてくる。稀代の言葉のエンターテナーであることをあらためて実感。ロメールにインタビューしたときの挿話のオチには笑った。ベスト映画160もあり。2018/01/17

tsukamg

4
80年代後半から90年代半ばまでの映画評が中心。最終章にベスト作品リストを選ぶ文章があり、すさまじい興奮が伝わってくる。瞳孔開きっぱなしで書いたんだろうなあ。2021/07/31

グルーチョ

1
蓮實重彦は読者が分かっている前提で話を進めるので分かるひとは特権意識を持つし、分からない人はなんだか恥ずかしい気持ちになる。イワン雷帝についての記述に同感!といいたくなり、アメリカの影についての記述には勘ぐりすぎ!と言いたくなる。(いい意味で)そして挙げられている作品は観たことないものが多く、そしてこれからも観る機会がないであろうことに絶望。そして断定的で極端なものいいにはいささか辟易もするのである。もっと普通に論じられないものかな・・?とあえて言いたい。それが氏を氏たらしめるものだとわかっていても・・2019/02/14

南禅寺の小僧

1
「パリでは、リヴェットの作品を見ることより、監督自身の姿に出会うことのほうが、遥かに簡単だという時代が確実に存在したのである」「だが、監督に会うことがその作品を見ることより容易だといった事態は、映画にあって、はたして正常なことなのだろうか」。こういう大仰でくだらない逸話を語る文章が妙に面白い。2013/08/31

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