出版社内容情報
テストの前日、家で教科書を開いていたベンは睡魔におそわれる。そして突然、大水にみまわれ家ごと漂流することになり、万里の長城、自由の女神などに出会う。注目すべき初期の傑作。
著者
C・V・オールズバーグ (オールズバーグ,C・V)
1949年、アメリカ・ミシガン州生まれ。ミシガン大学、ロードアイランドデザイン学校で彫刻を学ぶ。彫刻と絵画は、ホイットニー美術館や近代美術館に展示されている。『急行「北極号」』で1986年度コルデコット賞受賞。ほかに『ジュマンジ』(ほるぷ出版)など多数。
村上 春樹 (ムラカミ ハルキ)
1949年、京都府生まれ。早稲田大学文学部卒業。著書に『ノルウェイの森』(講談社)、『海辺のカフカ』(新潮社)、訳書に『キャッチャー・イン・ザ・ライ』(白水社)、『西風号の遭難』にはじまるオールズバーグ作品など多数。
内容説明
大人気映画『ジュマンジ』の原作者として、がぜん注目をあびるオールズバーグ―。想像力の翼をはばたかせると、たちまち世界は一変。わくわく、どきどき、どちらが本当、どちらが夢。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
91
夢と現実が地続きの世界を壮大なスケールで描いている。少年ベンは明日の地理のテストに備えて勉強しようとするが、うたた寝してしまう。目を開けるとそこは水没した世界。世界の有名な建造物が水に流されて彼の周りに集まってくる。自由の女神、ビッグベン、エッフェル塔、ピサの斜塔、パルテノン神殿、スフィンクス、ラシュモア山の大統領の石像……。力強い線と立体的な構図で描かれる圧倒的な絵の力に見入ってしまう。目を覚ますといつものわが家の風景。夢オチでも楽しめたからいいか……と思っていたら最後に取っておきの仕掛けが待っていた。2015/03/11
ムッネニーク
73
110冊目『ベンの見た夢』(クリス・ヴァン・オールズバーグ 著、村上春樹 訳、1996年3月、河出書房新社) 地理の勉強中にうたた寝をしてしまった少年ベン。彼の見る夢の世界がファンタジックに描かれる。 地の文やセリフが書かれているのは最初と最後だけで、夢の中での出来事は迫力のあるイラストで物語られる。ほぼイラストブックのような一冊であり、今まで読んできた彼の作品の中では最も抽象的な内容だった。 モノクロかつ線描だけで描かれた挿絵はシンプルでありながら雄弁に読者に語りかけてくる。 〈ベン、起きなさい〉2024/08/13
とよぽん
50
読友さんの感想によって知った、オールズバーグの絵本。図書館ですぐ借りることができた。シンプルで面白い。展開は壮大かつ奇想天外だが、ウィットのきいたオチもよかった。最後まで読んでから中ほどまでもどって、マーガレットの家とベンの家を探した。あっという間の世界旅行だった。表紙カバーの裏の絵が不思議、手前の物体は何だろう。2023/02/22
Cinejazz
32
黒い雨雲を見たベンとマーガレット。「私家に帰って、明日の地理のテストの準備をするわ」「僕もそうしよう」...ベンは誰も帰っていない家の安楽椅子に腰かけ、地理の教科書を開いて、世界中の名所を一つ一つ覚えていきました。やがて雨粒が窓を打ち始め、激しい土砂降りに...ベンは眠ってしまい...そして、その時!.....。 C.V.オールズバ-グの幻想的な物語と繊細なモノクロのペン画、村上春樹サン翻訳による、壮大で魅惑あふれる絵本です。2023/02/20
ベル@bell-zou
30
ベンとマーガレット、仲良しの二人が夢で出逢う。…というとふんわり可愛らしいお話のように聞こえるけれども、猿の惑星ラストシーンを彷彿とさせる、これは世界の終末ですか??と思いたくなるようなビジュアルがどんどん流れていく。夢から覚め、誘い合って野球をし出かけるふたりの爽やかさとは対照的な、全編モノトーンの不穏さだけが印象に残る。2024/01/20