内容説明
現代演劇の金字塔。戯曲集成。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nightowl
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下巻読了。あてのない旅をする男女が辿り着いた町。図書館長といい民宿オーナーといい妙な女性に翻弄される「救いの猫ロリータはいま……」、亡くなった父親の愛人が暮らす部屋を訪れると様々な人がうどんを作っていた!?「花のさかりに死んだあの人」、女優の幽霊が昔の仲間と死の真相を探る「戯曲探偵小説」、舞台は高知。龍馬が生きているふりをしなければならなくなったことによる悲喜劇「弟よ」、智恵子に夫の熱狂的ファンと勘違いされる高村光太郎「哄笑」が印象に残る。激しい応酬に欠けるのがやや残念。くどさの薄れた歴史劇が良い発見。2017/08/13
nightowl
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上巻読了。これまでの荒々しい狂気から作風が変化し、幻想的な作品が多い。かつての栄光やもう亡くなった人など様々な過去に囚われた人々が哀しくも愛おしい。早川書房で文庫化されている、少女歌劇団時代のまま時を止め周りを巻き込みながらロミオとジュリエットのリハーサルを続ける女性「雨の夏~」著者作品の中で最も普遍的且つドラマ化されていそうな、年経た三角関係のほろ苦い話「とりあえず、ボレロ」寂れた駅前ホテル。女主人の元へ連れ子としてやって来た子供と、義理の叔母との奇妙な関係「ラヴレター」が平易で心に伝わるものがあった。2017/07/23
葛
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〈上〉493頁 1992年11月20日初版印刷 1992年11月30日初版発行 著者:清水邦夫 装丁:菊地信義 発行者:清水勝 発行所:株式会社河出書房新社 印刷:株式会社亨有堂印刷所 製本:和田製本工業株式会社 一九八一・嫉妬 あらかじめ失われた恋人たちよ-劇篇- 昨日はもっと美しかった 雨の夏、三十人のジュリエットが還ってきた エレジー とりあえず、ボレロ タンゴ・冬の終わりに 海賊、森を走ればそれは焔…… ラヴレター 磨り硝子ごしの風景-自作解説にかえて-Ⅲ2020/03/01