内容説明
手漕ぎ車であてもなく旅する三人組。無声映画を思わせる展開、静かに記憶に残る情景…。ゴーリー1960年代前半の代表作。
著者等紹介
ゴーリー,エドワード[ゴーリー,エドワード] [Gorey,Edward]
1925年、シカゴ生まれ。2000年没。独特の韻を踏んだ文章と独自のモノクローム線画でユニークな作品を数多く発表し、たくさんの私家版も出版したため世界中に多くの熱狂的コレクターがいる
柴田元幸[シバタモトユキ]
1954年、東京生まれ。アメリカ文学研究者。2005年、『アメリカン・ナルシス』(東京大学出版会)でサントリー学芸賞受賞。ほかの著書に『生半可な學者』(講談社エッセイ賞受賞)などがある。2010年、ピンチョン『メイスン&ディクスン』(上・下、新潮社)で日本翻訳文化賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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starbro
166
エドワード・ゴーリーは、新刊中心に読んでいる絵本作家です。エドワード・ゴーリー生誕100周年、半世紀以上前の名作の復刊です。モノクロの無声映画のような世界観が楽しめます。 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000792.000012754.html2024/11/06
とよぽん
60
読友さんの感想を読んで。図書館にあった! 男女3人が手こぎ車で旅をする。道中に出会う様々な人、もの、出来事、時には退屈な時間もあり、人生のような旅模様を感じた。そんな調子で、延々といつまで続くのかと思っていたら、トンネルへ。読者は、やはりゴーリーに置き去られた。久しぶりにゴーリーの作品を読んだが、50年前の?だったか、全く古さを感じない。面白かった。2025/01/24
Willie the Wildcat
59
法則性の無いことと、その無い中で何かを見出すかが楽しみな著者の作品。本著も期待を裏切らない。旧友ネリーの三度の登場や、様々な事件性を示唆する事象やヒト。敢えて言うのであれば、人生の山谷と多様な生き様かな。絵は、The Classicで、とても味わいがある。その表情にも”匂わせ”が滲む。とことん読者の想像に委ねる!ってこと。因みに、Dogear、Weedhaven、Laughing Academyなどの直球の中、数少ない変化球の(cartilageではなく)Gridtleburg。気になるなぁ♪2025/07/05
sin
56
荒涼とした風景を三人を乗せた手漕ぎトロッコがよぎってゆく、何が彼等を駆り立てるのだろうか、旅と云うには影があり、例えればその移動する行為を人生の縮図としてしまったと云うところなのだろうか?そしてブラックドールは凶兆か?そういえば『狂瀾怒濤』でブラックドールは手を伸ばして積極的に騒動に加わっていたか?いやあれはフィグバッシュでブラックドールではなかった。あのときもブラックドールは表紙と副題に現れて思わせぶりにしていたようだ。2024/11/06
あたびー
47
手漕ぎトロッコを見つけた暇人3人組。早速それに乗って出かける。途中あちこち立ち寄るのだが、「1週間後」という言葉を目にして『おいおい…😅』と思ったのは甘かった。とうとうラストまで🤣ゴーリーにしては分かりにくい単語は少なくて、まず原文を読んでから訳文を読みました。ヘンテコ名詞を柴田さんがどう訳しているかが楽しめます。ブラックドールは、表紙と裏表紙、途中にも1箇所登場します。2024/11/08