内容説明
「生誕120年安井仲治―僕の大切な写真」展(2023‐24年開催)公式図録。
目次
図版(1920s―仲治誕生;1930s‐1―都市への眼差し;1930s‐2―静物のある風景;1930s‐3―夢幻と不条理の沃野;1930s‐1942―不易と流行)
論考(父のこと(安井/仲雄)
安井仲治 僕の大切な写真(小林/公)
1920年代の安井仲治 その豊かな絡まりと汲み尽くせなさ(中村/史子)
安井仲治とモンタージュ 1930年代の合成写真から「半静物」まで(尾〓/登志子)
世界そのものの愛好者 安井仲治と「不易流行」をめぐる一考察(若山/満大)
安井仲治の磁力(比田井/一良)
安井仲治と1930年代(中島/徳博)
資料編(文献再録;自作解説;資料;『安井仲治写真作品集』(『遺作集』)再録
年譜
出品歴
参考文献
Yasui Nakaji―My Precious Photography Kobayashi Tadashi
Commentary on Chapters
Chronology
掲載作品一覧)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
155
表紙写真に魅かれて読みました。本書で初めて戦前の日本写真界の大物、安井 仲治を知りました。生誕120年回顧展に合わせての刊行のようです。 https://www.artagenda.jp/exhibition/detail/9091 写真は全てモノクロですが、迫力と個性に溢れています。 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309257235/2023/10/26
buchipanda3
94
写真家・安井仲治の作品集。モノクロームの世界が醸し出す雰囲気に惹き付けられた。かつて存在していた光景、現実ながら異世界のようで、それでいて見れば見るほど現実感の度合いが増してくる。そして現代の洗練され過ぎたものへの慣れからか、その裏表のない確かさに惹かれた。特に人物の写真は写っている人間の存在とその瞬間の空気が甦るかのよう。少女と犬の微笑み、猿廻しを囲む光景、夏の妻の生活、サーカスの女の現実と非現実の境目。生きるための憂いと過ぎ去りの愁いが重なる。資料では印画師の考察とネガから見えるもの等が興味深かった。2024/04/03
kaz
1
存在を全く知らなかったが、インパクトがものすごい。時代背景を考えると、驚くしかない。図書館の内容紹介は『実験的精神、周縁の人びとへの視線、リアリズムとモダニズム、幻想と死の影…。日本写真史に燦然と輝く天才写真家・安井仲治の傑作を集成する。論考と資料も収録。2023~24年開催の生誕120年記念展覧会の公式図録』。 2023/10/31
analjustice
1
安井仲治の作品集は手軽に手に入らないので嬉しい。図版も論考も充実しています。東京SGへの巡回が楽しみだ。2023/10/16