出版社内容情報
「文豪女子」に人気の高い「泉鏡花」の世界をこの世ならぬ「生き人形」とわかりやす解説で再現!怪しくも美しい異次元の世界に誘う。
吉田 良[ヨシダ リョウ]
著・文・その他
野口 哲也[ノグチテツヤ]
著・文・その他
内容説明
神、魔、人…鏡花文学の女人たちは、正体がはっきりしない謎の存在。人形もまた無機質なものながら、命の気配を漂わせる謎めいた存在。鏡花美学と現代創作人形の饗宴。
目次
第1章 人形による鏡花の世界(白龍と鏡花(吉田良)
註文帳(吉田良)
天守物語(吉田良)
高野聖(吉田良)
天守物語(水澄美恵子) ほか)
第2章 鏡花文学と創作(泉鏡花作品の口絵と装幀(朝日智雄)
鼎談 創作とは、自分の謎を探ることです(吉田良×野口哲也×橘明)
泉鏡花と人形愛(野口哲也)
作品解説(野口哲也)
泉鏡花略年譜(野口哲也))
著者等紹介
吉田良[ヨシダリョウ]
1952年生まれ。70年代より活動する人形作家、写真家。1983年に「ドールスペースピグマリオン」設立、人形教室を主宰
野口哲也[ノグチテツヤ]
1975年、群馬県生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(文学)。鳴門教育大学大学院学校教育研究科講師、准教授を経て、都留文科大学文学部教授。専門は日本近代文学、比較文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Hisatomi Maria Gratia Yuki
2
弥生美術館に展示を二回、見に行って購入。人間臭いお雛様たちと、着物は同じでも半襟がそれぞれ違う女童たちが載っていないのは残念! それと、和装のお人形はやはり後ろ姿も見たいので、会場で鏡を設置していないなら、写真で、と期待したのだけど、かなわなかった。そんなわけで、写真を見るほどに、「やっぱり実物の存在感にはかなわない」と思えてくる。2018/09/23
あたびー
2
弥生美術館「泉鏡花球体関節人形展」(だったかな?)で購入。全て存在感のある一口では言えないほど素晴らしいお人形さんたちだった。中でも高野聖のお人形(表紙)にはスッカリ魅入られてしまって、うっかり「一緒に暮らしましょう!」と誘いそうになる。残念なことに会場にあった夫婦喧嘩のお雛様は載ってませんでした。天守物語の姫が携える鏡花せんせの首は、こちらが動いてもずっと目で追ってくる感じでしたよ。2018/08/24
梟
1
「文豪・泉鏡花×球体関節人形展」にて購入。鏡花の世界観を妖しくも美しい人形が完全再現。各作品のあらすじや解説が収録され、鏡花入門書の一面も持っている。なんと言っても「鏡花本」の挿絵が豊富に収録されていることがありがたい。鏑木清方ら絵師と鏡花の関係も解説され、とても面白かった。個人的に一番印象に残ったのは陽月氏の「星の歌舞伎」。透明感漂い、ただただ儚く美しい。人形美術に興味を持つきっかけとなった。新しい扉を開いてくれたような気がする。2018/09/20
うめむら
0
弥生美術館での展示、「文豪・泉鏡花×球体関節人形」の図録として購入。入門書として面白く読んだ。会場で1番印象に残ったのは愛実さんの『第二菎蒻本』の作品。(こちらには未収録)2018/09/24