内容説明
ある時は寝床である時はキッチンでまたある時は旅の共をし、家族とクリスマスを楽しむ。いつなんどきも猫は少年と共にいた。そのぬくもりとちょっとしたせつなさがすべての絵からほとばしる。“猫の王様”バルテュスによる、少年と仔猫のものがたり。まぼろしの名著、ついに復刊。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
新田新一
29
バルテュスの少年時代の絵に、詩人のリルケの序文を付けたもの。訳者によるとリルケの序文は、リルケがフランス語で書いたただ一つの散文とのこと。貴重な一冊と言えると思います。一つ一つの絵に、人間的なぬくもりと無邪気さを感じます。絵の中の少年が猫が好きでたまらないことが伝わってきて、私のような猫好きは共感せずにはいられません。絵の中にパリの街並みもスケッチされていて、素朴で味わい深い描き方に魅せられました。2024/11/03
NагΑ Насy
5
最近いいなと思う装丁が名久井直子である確率が高い。この本もそう。少年時代のバルテュスのデッサンをリルケがみいだして出版された『ミツ』。バルテュスが老いてスイスへ移り、肉体的な制約から難しくなったデッサンの代わりに撮っていたポラロイドの写真展へ、ミツ菱へ観に行って見つけて買う。フランス版のオリジナルがミュージアムショップのガラスケースに入っていて、頼んだら見せてもらえた。リルケってドイツ人だよな、と思っていたので序文がフランス語で軽い驚き。序文の翻訳者のあとがきだとリルケのフランス語の散文はレア2014/07/13
さく
4
バルテュスの猫の画集だ、と思って借りてみたらバルテュス9~10歳の時に書かれた絵だそうで、筆ペンでえいえいと書いたような、木版画のような白黒のシンプルな絵が40枚。見る人が見れば芸術性とか、子どもの感性とか、装丁のオシャレさとか見どころがたくさんあるのだろう。残念ながら自分が凡人であることを知らされるばかり。この絵で、この装丁でOKなんだという驚きのみ。リルケによる序文が添えられていてその中の犬に関する記述が良かった。古くからの仕来たりを放棄して私たちを許容し人と共に暮らす犬。やっぱり犬が好き。2014/08/25
保山ひャン
2
バルテュスによる11歳のときの猫物語。序文は親交のあったリルケが書いている。猫の名前「ミツ」は日本の名前「光」さんからとっているとか。クリスマスのシーンだけは絵をなくして後で描いたらしい。猫は最後、どこかに行ってしまう。猫が「ミツからない」のである。可愛い!2015/05/01
pon
1
ミツ可愛い。リルケの序文はいらないって金井美恵子が言ってたな。2015/05/02