内容説明
豊富なカラー図版でたどる脳科学の発展史。11世紀イスラムの絵画から最新のMRIグラフィックまで、詳細な解説とともに脳の謎を解き明かす決定版。
目次
1 前史―ガレノスからゴルジへ
2 現代神経科学の誕生―サンティアゴ・ラモン・イ・カハール
3 カハール以後―モノクロからカラーへ
4 回折の壁を破る―細胞から分子へ
5 脳の中の電気
6 回路としての脳
7 脳の構造から脳の機能へ
著者等紹介
シューノーヴァー,カール[シューノーヴァー,カール][Schoonover,Carl]
アメリカ国立科学財団(NSF)大学院研究員として、コロンビア大学の博士課程で神経生物学・動物行動学の博士論文準備中(齧歯類の大脳皮質の顕微鏡解剖学・電気生理学)。ニューヨーク市で活動する科学者、ライター、その中間にある人々からなる研究会、ニューライト(NeuWrite)会員
松浦俊輔[マツウラシュンスケ]
翻訳家。名古屋学芸大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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壱萬参仟縁
13
2010年初出。 白黒、カラー写真多数。 大解剖学者、ガレノスは紀元2Cに解剖の草分け研究を行ない、 千年以上、西洋解剖学の土台となった。 16Cのアンドレアス・ヴェサリウスはイスラム世界からガレノス の思想を継承(018頁)。 人間が自分の肉体構造を解剖なくして正確に把握できていなかった。 冷たいのか、温かいのかすら掌握できなかった時代が長かった。 1543年という年は、画期的な年で、脳室の構造が解明された(036頁)。 2014/03/29
yori
4
★★★★★ 脳科学の歴史、面白かったし、何しろ写真が美しい!あー本当に何てこった、脳ってやつは!!2013/12/23
takao
2
ふむ2021/07/06
gachin
1
発生学はミクロとマクロがある程度乖離したまま研究ができるけど、電気生理は多くの場合そうもいかない。ここで苦労していたことに最近気付いた。自分が見ている現象が神経系の中でどういう立ち位置なのかが知りたくて、本書に助けを求めた感がある。結果、期待に応えてくれる良書だった。/ ガレノスは厳格な経験論者だったけど、後代の人間は教条主義的に彼の著作を利用してしまったらしい。/ 培養細胞の例では単細胞で再帰もしくはネットワーク状の構造があるような気がする2023/12/18
kumikotk
1
人類が脳をどのように分析し理解してきたか、豊富な画像で紹介しています。 古いイスラム圏の図像化の的確さにも驚かされますが、最新の解析画像の美しいこと! うれしいのは、脳の中の何をとらえてどう画像にしているのか、そこから何がわかるのか、専門外の人間にもわかりやすい説明がついていることです。美しいのは見ればわかるけど、コレ何だ…??という心残り感から読者を解放してくれます。 2012/02/05