内容説明
「沈黙の春」が本当に伝えたかったこと。60年代アメリカから限りなく化学物質と化しつつある人間の畏怖すべき未来を展望する。『姉飼』の作家による新たな預言。
目次
第1章 『沈黙の春』の騒々しさ―もうひとつの読み方(衝撃と攻撃;読み方を方向付ける巻頭言;一般的な読み(もちろん誤読ではない)のおさらい
評価―科学者の視点という新しさ
『沈黙の春』の騒々しさ―誤読の試み
人間の終焉)
第2章 化学物質の六〇年代(人間カメレオン化計画―サイボーグ論;化学物質の六〇年代)
第3章 精神変容の物質化―サイケデリックと若者文化(サイケデリック運動の方向付け;LSDの時代;若者運動との関わり;サイケデリック・ロック;インスタント禅)
第4章 魅惑と反発―新たなるアブジェクト(インスタントの時代;農業の工業化)
結論 開きっぱなしの身体
著者等紹介
遠藤徹[エンドウトオル]
1961年神戸市生まれ。東京大学文学部・農学部卒業後、早稲田大学大学院博士課程で学ぶ。同志社大学言語文化教育研究センター助教授。2003年、『姉飼』で角川ホラー大賞を受賞。京田辺市在住
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