人はなぜ「憎む」のか

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  • サイズ B6判/ページ数 339p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309251707
  • NDC分類 141.6
  • Cコード C0040

内容説明

あらゆる大量破壊兵器の中で最も怖ろしいもの、それはわれわれの太古の脳=精神に潜んでいる。現代人は、それが爆発しないための方法を見つけ出さなければならない。―人間の感情の暗黒部分ともいえる「憎悪」は、人間関係を閉ざし、社会を傷つけ、生命を破壊し、憎む人自身の健康さえ損なう。そしてついには、憎悪は地球上で唯一最大の破壊力となる。―本書は、この「心の核兵器」をめぐり、脳科学の最新の成果を探りながら、個人と社会と国家にいかに憎悪が生じるかについて、新しい光を投げかけている。

目次

感情とは何か―感情と行動のメカニズム
憎しみを根絶するための10の戦略
敵と味方を分ける本能
原始的な脳のしわざ
戦争と集団殺戮はなぜ起こるのか
人類の心の発達
自己嫌悪と自殺
性差別と人種差別
社会に広がる憎悪のメッセージ
憎しみが渦巻く職場
愛と憎しみはどんな関係か
荒れる子供たち
原始的な心の正体
復讐ではなく正義を求めよ
共感は世界を変えるか
知恵ある未来のために

著者等紹介

ドージア,Jr.,ラッシュ・W.[ドージア,JR.,ラッシュW.][Dozier,Jr.,Rush W.]
ピューリツァー賞受賞作家。ハーヴァード大学卒業後、新聞編集者、弁護士として活動するかたわら、ノンフィクション作品を発表する。科学、心理学、社会学など多角的な分析を通してひとつのテーマを浮き彫りにしていく各作品は、高い評価を受けている。また、経済の分野でもアメリカ連邦経済発展機関の運営委員会議長、国連金融技術委員会の議長を歴任し、幅広い活動を続ける

桃井緑美子[モモイルミコ]
神奈川県横浜市生まれ。翻訳家
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ntahima

23
【市図書13】憎悪の4要素『しつこく激しい嫌悪、否定的な二項区分のステレオタイプ化と一般化、共感の欠如、そして攻撃』。脳科学、心理学、人類学、遺伝学などの知見を利用し憎悪の本質に迫る。人間の思考は本人の思い程には論理的でなく生存・生殖を第一義とする古い脳からの干渉は避け難い。今まで漠然と感じていたことが上手くまとめられており至極共感した。但、コペルニクス的転回を生じさせる様な新概念には出会えなかった。私も人を憎んだことがあり、当時を思い出しながら自戒の書として読む。時には己の不完全さを知ることも必要かと。2015/09/13

kudotogo

3
この本を読むと、性悪説と性善説のどっちがただしいのか?という古典的な問いに、生物学的は 性悪説支持ということがわかる。人間における善は、生物が進化の過程で得たものとは質が違うのだ。生物はエゴイスティックにサバイバルに向けて力をつくす。ずるく、姑息だ。神秘主義的ば部分は、この本には皆無なのだけど、善なるものがどこから人の世界に来るのかと考えると、生物の本能とは違う、高度な文化というものからしか来ないと言っているように読みとれる。それは自然が与えたものではなく、人が作っていくものだという主張が読める。2016/01/11

くさてる

2
いじめや自己嫌悪、戦争や差別にいたる「憎悪」という感情を、主に脳科学の切り口から突きつめて考察した一冊。憎悪が発生するメカニズムが解明されればされるほど、それに抵抗することが難しいことが分かってうんざりしてしまうけれど、著者なりの解決案も提示されている。それを理想論と片付けるのは簡単だけども、その理想が無ければ世界は変わらないのではないだろうか。2013/01/15

中津川

1
数多くのエピソード+解説で、人が人を憎む仕組みを網羅。個人のストーリーから生まれる「憎しみ」ではなく、生物学、脳科学、心理学などの観点から、人類がなぜ「憎む」かに焦点を当てたもの。1つずつの章が短く、気になった章を読むのもよい。2020/11/28

れむ

1
人が何かを憎む理由を脳の働きから詳しく解説してる。でも、だからどうするのという感じ。本書では憎しみを減らす10の方法と言ってなんか挙げてるけど、それができないから世界から憎しみは無くならないんだよなぁ。2014/08/30

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