内容説明
「クジラは絶滅に瀕している」。この「神話」は今も生きているようだが、はたしてそうであろうか?本書は長年調査捕鯨が蓄積した科学的データをもとに、今なお蔓延する誤解と偏見をただし、感情や政治に左右されない“クジラの真実”を明らかにする。
目次
序章 ヒトとクジラの共生のために
第1章 魚を奪い合うヒトとクジラ
第2章 クジラを科学する
第3章 捕鯨紛争の正体
第4章 国際捕鯨委員会を巡る攻防
第5章 持続的捕鯨をめざして
著者等紹介
森下丈二[モリシタジョウジ]
1957年生まれ。京都大学卒業。1982年農林水産省。米国ハーバード大学大学院卒業。国連環境開発会議(地球サミット)、ワシントン条約会議など、一連の環境問題について担当。1993年より捕鯨問題、大西洋マグロ保存国際委員会を中心に日米漁業交渉を、1996年よりミナミマグロ問題を、1999年より水産庁資源管理部遠洋課(捕鯨班長)に属し、国際捕鯨委員会(IWC)の日本代表団の一員として活躍
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やすらぎ
19
感想を書かずに手放すことにしました✨2020/01/19
るべば
1
この本は、私の脳内にあった、「捕鯨にこだわる日本vs環境保護の国際社会」という調査捕鯨のイメージわぶち壊してくれた。調査捕鯨はむしろ環境保護に大きく貢献している。すべての鯨が絶滅の危機に瀕しているわけでなないという事実も知ることができた。森下氏は、難しい科学の話をするばかりではなく、環境保護はもちろん、外交、政治、経済など様々なテーマが絡み合った、捕鯨問題をとりまく状況を、わかりやすく、そして面白く(失礼かな・・・?)ひもといてくれた。誠実で無理のない調査を行い、多くの成果をあげている捕鯨推進派の主張が、2011/10/07
torum
0
クジラの座礁が年々増えている。アメリカ西海岸でコククジラが大量に座礁した際に調査したところ、なんと死因は“餓死”であった。過剰な保護でクジラが増えすぎたことにより餌の魚が不足し、仕方がなく湾岸部まで餌を求めてやってきたのである。シミュレーションではクジラの捕獲を完全に禁止すると、魚が“消える”そうである。IWCがおよそ科学的とは言い難い感情論の議論をしていることに危機感を覚える。カンガルーの間引きやディアハンティングなどと同様、保護しながら利用する“持続的捕鯨”が必要であろう。2016/03/04
E3
0
クジラが食いたいぜ。昭和世代にゃ懐かしい味。2011/04/06