内容説明
「島」によって明かされる進化と絶滅のメカニズム。過去百年間に、島々では唐突に無数の種が途絶えた。いまやその病は大陸をも襲おうとしている。空前の絶滅の時代を前に、待望の新理論が人類と動物たちの未来を切り開く。
目次
4 死にいたる稀少性(承前)
5 プレストンの鐘
6 待ちに待ったもの
7 アマゾンのハリネズミ
8 インドリの歌
9 こまぎれになった世界
10 アルーからのメッセージ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カネコ
2
○2013/01/10
しんかい32
1
下巻では、希少な生物種を保護するための有効な戦略をめぐる仮説や論争の数々が紹介される。さらにそこへ、E・O・ウィルソンやジャレド・ダイアモンドなどの学者たちから、絶滅寸前だった(個体数半ダース!)モーリシャスチョウゲンボウの繁殖に成功した保護団体の職員や、マダガスカルの今は亡き天才ナチュラリストの少年にいたるまで、さまざまな人々の物語が交錯していく。環境保護がテーマとはいえ、内容は説教に堕することなく、知的好奇心も充分に満たしてくれる文句なしの傑作。2010/06/17
tama_lion
0
ウィルソンとマッカーサーによる島の生物地理学の体系化から、保全への応用をめぐるシンバーロフとダイアモンドのSLOSS論争を経てスーレらによる保全生物学の旗揚げ、MVPやメタ個体群といった重要概念の形成までという研究史中心の下巻。そのなかにあって、多くの研究者や写真家を助けたマダガスカルの少年ネイチャーガイドのエピソードが心に残る2012/04/06