出版社内容情報
「広告批評」に連載された『マンガ哲学辞典』が待望の初「単独」書籍化! 人間関係を巡る「枠」やジェンダーについてetc.パロディを駆使しながら橋本治が贈る、現代にも響く傑作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
keroppi
69
橋本治が漫画を描いていた。しかも、人間存在や自我や社会について、はたまた男と女の哲学的考察まで、漫画でないと表現出来ない思考。1980年代「広告批評」に連載されていたらしい。漫画における枠線が社会であり、それが消えると星飛雄馬の存在すら危うくなる。エイリアンの卵は学校で飛びつかれ寄生され社会人となる。鉄腕アトムも枠を壊そうとするが、枠の外にも枠があるだけ。肉体と頭脳とモラルは魔神ガロンだ。女は女という思想と寝て女になる。何を書いているか分からないようなレビューになってしまったが、それくらい凄い本だ。2021/06/15
Vakira
47
この世のあらゆる疑問。宇宙、生命、物質、存在、人間とは?この疑問に論理と現実実証してきたのが科学であり、思考的に考えてきたのが哲学なんだと思う。この本、治さんの哲学のマンガ的入門編かと思いきやチョ~ぶっ飛び。辞典と言うより治さん解釈の哲学。例えばこの世の存在。存在のKeyは「枠」だ。宇宙は膨張している。膨張するのであればそこには果てという境界があり、境界とはある意味枠だ。我々の存在。人間は枠の集合体。生物には必ず細胞膜がありその中で生命は生きる。枠がなければ溶け出して生きられない。2021/07/01
冬佳彰
12
これは凄い本だ、と言いつつ大急ぎで告白すると、おそらく60%くらいは理解できていない気がする。「マンガ哲学辞典」という題だが、別に哲学史を漫画で解説するような安直な(失礼)本ではない。橋本さんによる、橋本さんの経験的思索的到達点を、「分かりやすいように」漫画で解き明かした本だと思えば良いんじゃないか?ということで、他の橋本さんの本と同じく、「分かるようでいて、分からない部分、明言できない部分」を残しつつ、いやしかし、これを分かった暁には、ある到達点を見るのだろうという直感を与えてくれる。(続く)2021/06/02
kentaro mori
2
●意味というものは枠組によって成立します/だから枠組がなくなると意味がなくなるのです/意味を成立させるものがワクなのです2021/09/05
masabox
1
漫画で描くべきなのか、これを文字で書かれたら、どうしても薄く読んでしまうかもな一冊。で、じゃぁ理解が追いつくかと言うと、活字より漫画は圧倒的に自由度が高いので、難しくなると思う。活字のほうが想像の幅がある。絵や画にされてしまうと、そのイメージがまず入ってきてなんていう話はよくありますけど、テーマがこう哲学とか、男女の根幹とかなってきますと、文字ではないことの自由度による迫力と展開力はすごい。圧倒されっぱなし。2022/05/17