出版社内容情報
資本主義はどう終わるのか? 『時間稼ぎの資本主義』で話題を呼んだシュトレークによる明晰にして緻密な資本主義終焉論の決定版。
内容説明
これから資本主義は長期にわたって苦しみながら朽ちてゆく―これまでの危機理論を検証しながら、民主政治の解体と資本主義の変容を洞察する。『時間かせぎの資本主義』の著者による資本主義終焉論の決定版。
目次
資本主義―その死と来世
資本主義はどう終わるのか?
民主制資本主義の危機
顧客としての市民―消費社会の新たな政治についての考察
欧州「財政再建」国家の成立
市場と人々―民主制資本主義と欧州統合
ヘラー、シュミット、そしてユーロ
ユーロが欧州を分断する理由
ヴォルフガング・メルケル『資本主義は民主主義と両立するか?』へのコメント
現代資本主義をどう学ぶか
フレッド・ブロック『いかなる多様性?私たちはまだ資本主義という概念を使い続けるべきか?』
社会学の公共的使命
著者等紹介
村澤真保呂[ムラサワマホロ]
1968年生まれ。龍谷大学教授
信友建志[ノブトモタケシ]
1973年生まれ。鹿児島大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんすけ
8
著者は下記のように語り始める。 <資本主義はいつの時代も、存続するのが不思議に思われる社会編成でありつづけてきた。> センテンスは下記のように結ばれる。 <資本主義経済を基盤に形成され、ダイナミックに変容した近代社会に固有の不安定さを鑑みれば、十八世紀初期にドイツ、そして十九世紀中期にイギリスでこの概念が最初に用いられたころから一貫して、資本主義の理論が危機の理論であったことは不思議ではない。>2019/05/20
☆ツイテル☆
2
フライヤー2021/12/08
Daimon
1
経済を社会に引き戻すこと、経済を単なる数量化されたモデルから、ポランニー、あるいは必要ならばマルクスやウェーバーまで遡り検討すること。資本主義社会において、民主主義の主権は人民に、市場経済の主権はグローバル企業に、しかし、人民の主権は厳しくグローバル企業の主権に従属されねばならず、そして実際に人民もそれが有効な解決策であると信じることになる。 議論が多方面で論文をまとめただけに過ぎない感はある本で、肝心の『資本主義はどう終わるのか』には正面から答えてくれているようには思えないが…2018/06/08
Hidekazu Asai
1
本書は、今後、テクノクラートが民主主義的制度を破壊する法案を通過させ、一方では国粋極右政党が次々と現われ、市民たちは、両者に挟まれ、極右政党を支持するだろう、と述べている。グローバル化した市場社会に負けた社会民主主義に見捨てられると感じているからである、と述べている。 この現象は、先進国共通の現象としてすでに現実化している。2018/04/26