ダーク・ドゥルーズ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ B6判/ページ数 229p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784309247823
  • NDC分類 135.5
  • Cコード C0010

出版社内容情報

ドゥルーズは世界を憎む破壊の哲学だ。既成のドゥルーズ像を壊しながら斬新な思考をうちたてる宣言。日本からの応答も収録。

アンドリュー・カルプ[カルプ,アンドリュー]
ミネソタ大学で哲学、文化批評などを教える。本書が最初の著書。

内容説明

ドゥルーズは喜びと肯定の哲学ではなく憎しみと破壊の哲学だ。暗黒のドゥルーズを召喚して世界の破壊を共謀する最も危険な哲学の誕生。ドゥルージアン4人による応答を併載。

目次

イントロダクション
存在の絶滅
無に向かって前進すること
崩壊、破壊、壊滅
“外”の呼びかけ
結論

解説 大山載吉
応答1 憎しみはリゾームを超えるか 宇野邦一
応答2 反戦運動の破綻の後に―ダーク・ドゥルーズに寄せて 小泉義之
応答3 破壊目的あるいは減算中継―能動的ニヒリズム宣言について 江川隆男
応答4 OUT TO LUNCH 堀千晶

著者等紹介

大山載吉[オオヤマノリヨシ]
1975年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

またの名

15
いいね!のネットワークでポジティブに繋がり脱中心的なリゾームを拡げる喜びのドゥルーズ主義はもはや体制順応にしかならない、と檄を飛ばす。さんざんジジェクらが指摘してきた多様性や寛容を旗印にして搾取し暴力をふるう現代消費社会と世紀の哲学者の親和性にようやく内側から反応し、けれども弁証法の論理ではなく憎悪と破壊をたぎらせた闇堕ちドゥルーズを召喚。「批判ばかりして提案しない奴はダメ」という風潮と概念創造を目ざす哲学が即時代的に共鳴してしまう時代に抵抗するため見直されるのは、鋭い批判の思想家マルクスとコミュニズム。2017/02/11

mstr_kk

10
結論→イントロダクションの順で読むと、全体的な見通しが立ちます。ドゥルーズの思想は結果的に時代に合致しすぎ、今や悪しき資本主義の世界を肯定する繋がり至上主義者や生産主義者に利用されているから、ドゥルーズの活かしきれなかった思考を呼び出し、ダーク・ドゥルーズを生まなければならない。DDの憎悪の力は、「神の死」と「人間の死」につづく「この世界の死」、つまり絶対的な否定としての革命をもたらす。それこそ現代のコミュニズムである。という内容だと思いますが、中身の議論は理解できなかったところが多いです。2017/03/10

6
今日的な、インターネットやグローバリズムにつきづきしい反革命思想として受容されているドゥルーズ=「喜びのドゥルーズ」に、「外」を到来させ、「世界の死」=「革命」=「コミュニズム」をもたらす「闇のドゥルーズ」を対置する。そこで希求されるのは憎悪、破壊、野蛮、秘密、戦争機械、そして共謀だ。「私たちのコミュニズムが要求するのは、秘密にまぎれて能動的に共謀することである」。「共謀は全てをしかるべき場所に配置する一貫性に対抗するものである」。共謀していきましょう。2017/06/16

なっぢ@断捨離実行中

5
哲学書というよりは思想オタクが勢いに任せて書きなぐったブログ記事といった趣で親しみの湧きやすい文章だが、本書の圧倒的読みやすさは時代に対する切実な問題提起から来ている。現代に対する怒りに貫かれた本書はまず「繋がり至上主義」と化しネット技術に先導された現代資本主義の随伴者にしかなっていないポジティブなドゥルーズ像を槍玉に上げる。そして本来立場が近いはずの思弁的実在論にも新たな神学のでっち上げと容赦がない。サンダースの登場により可視化された怒れる若者たちがようやく表舞台に上がってきたようである。今後に期待。2016/12/06

まぶたのあるいきもの

3
正直に言ってさっぱりわからなかった。とりあえず何となく感想。フーコーはかつて「いつの日かドゥルーズの時代になるだろう」と言った。著者は言うおそらくフーコーはニーチェの「反時代的なるものこそが哲学だ」から皮肉ったのではないかと。そして時代は正にドゥルーズ的になった、繋がり至上主義になり、生産主義になった。ドゥルーズ的世界にドゥルーズを批判的に用いることは出来ない。ならばそのドゥルーズ的世界を正にドゥルーズによって、破壊してやろうではないか、いやむしろドゥルーズは破壊せよと言っている!2016/11/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/11207794
  • ご注意事項