出版社内容情報
明星食品と三養食品の国境を越えた信頼と技術提携により韓国初のインスタントラーメンが誕生した――知られざる日韓交流史!
【著者紹介】
1953年生まれ。1986年よりソウルに語学留学。帰国後、通訳案内業に従事。現在は京都でハングル講座「緑豆楽院」を運営。主な著書に『アン・ソンギ――韓国「国民俳優」の肖像』(岩波書店)など。
内容説明
明星食品の創業者・奥井清澄と三養食品の創業者・全仲潤の出会いにより韓国初のインスタントラーメンが誕生した―美味しいラーメンを作るために食糧危機を救うために開発に挑んだ2人の男の軌跡。
目次
第1章 戦後の混沌を開く―奥井清澄の挑戦
第2章 がれきの山からの再起―全仲潤の決意
第3章 インスタントラーメンに賭ける―奥井清澄の選択
第4章 国民の空腹を満たすために―全仲潤の転身
第5章 邂逅―一九六三年、春
第6章 インスタントラーメンが海を渡った日
著者等紹介
村山俊夫[ムラヤマトシオ]
1953年生まれ。1986年よりソウルに語学留学。帰国後、通訳案内業に従事。現在は京都でハングル講座「緑豆楽院」を運営(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
toshi
9
明星食品ができてから、韓国の三養食品に無償技術供与するまでの物語。 ドキュメンタリなのに、文学的にしようとしすぎていて内容が分かりにくい。 時間の流れが前後したり、何の説明もなく途中から話が始まったり、こじつけの会話で無理やり背景を説明しようとしたり・・・。 最後に付いている年表がなければストーリが理解できない作品。2015/02/08
tetsubun1000mg
8
日清食品のチキンラーメンと創業者の百福氏の事は良く知られているが、チャルメラや一平君で知られる明星食品の事が書かれているのが気になり選ぶ。 日本が朝鮮半島を支配した時代から進み北と南に分かれて朝鮮戦争が起こる時代から物語は始まる。 チキンラーメンが大阪で発売されてからたの製麺業者も開発を進めるが、関東の明星食品もついていこうとする。 味付け即席めんから、味付けスープ別添えで展開しようとする明星食品。 韓国の三養食品創業者と奥井社長の出会いと戦後の苦悩を知る二人の友情が心に残った。 2022/05/10
おおきなかぶ
3
日韓の二人の優れた経営者の交流が分かり、また、明星食品の商品を食べたくなりました。2022/07/23
マカロニ マカロン
3
個人の感想です:B。1963年韓国の三養(サミヤン)食品の全仲潤(チョンジュンユン)社長が日本を訪問し、明星食品の奥井清澄社長から技術提携を受け製麺機械設備を購入し、韓国の食品環境、栄養事情を改善させた話。日本が敗戦し、半島から引き揚げた後、朝鮮戦争で韓国が疲弊し、国民の栄養事情が悪化していた。一方日本は朝鮮戦争特需で好景気になり、即席ラーメンで西の日清食品に対抗して明星食品が(スープ別添即席ラーメンが大ヒットして当時東日本でシェア1位)勃興していく過程も書かれていた。戦後食糧史にも詳しくなれる本。2020/06/01
사오리
0
朝鮮戦争時代前後の話しも出てきて、国民の体験談とかを聞いたことがなかったので興味深かった。国交正常化に難航している時代にも、こんな風に無償で技術提供がされてることがあったんだなーと。政治的なことなんて、人と人の友情の間には、何も関係ないなと改めて思った。2015/09/13