内容説明
保守派の台頭と９人の最高裁判事（ザ・ナイン）。人種、性、妊娠中絶、福音派、大統領選挙など、巨大国家の行方を定める判事たちの知られざる闘いを追った傑作法廷ノンフィクション！ニューヨーク・タイムズ年間最優秀図書。
目次
第１部（思想をめぐる連邦主義戦争；善と悪；問題提起；矛盾；思いやりの心；追放者の帰還？；なにが正統であるか？；個別意見；カードは左に；敗北の年）
第２部（瀬戸際；決壊；完璧なまでの敗者）
第３部（「特定の性行為」；「法を専門とする文化の賜物」；話す前にいうべきこと；緑の意見書；「われわれ政府は、断じて」；「たぐいまれなる栄誉」）
第４章（「神のＧ」；トロフィーを我がものに；「気心は知れている」；「当然の報いカフェ」；「生来の…」；熱狂的？）
著者等紹介
トゥービン，ジェフリー［トゥービン，ジェフリー］ ［Ｔｏｏｂｉｎ，Ｊｅｆｆｒｅｙ］
１９６０年ニューヨーク生まれ。ハーバード・ロースクールを優秀な成績で卒業したのち、連邦判事補などを経て、現在は『ニューヨーカー』の法曹関係のスタッフライターやＣＮＮの法律アナリストとして活躍している。『ザ・ナイン―アメリカ連邦最高裁の素顔』がニューヨーク・タイムズ年間最優秀図書に選ばれる
増子久美［マシコヒサミ］
早稲田大学卒業。雑誌等でさまざまな記事の翻訳に従事
鈴木淑美［スズキトシミ］
慶應義塾大学大学院文学研究科博士課程でアメリカ文学を専攻（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
BLACK無糖好き
20
原著は2007年刊。アメリカ連邦最高裁判事9人の人物像に迫りながら、妊娠中絶問題など、「保守」・「リベラル」が激しく対立する政治的な社会問題への司法の取り組みなどを内側から描出。司法と政治に纏わる濃厚な人間ドラマが展開される。◇ブレット・ガバナーの判事任命の論争も記憶に新しいが、先日ルース・キンズバーグが病院に搬入され、除骨を折っただけだったようだがリベラル派は相当肝を冷やしたようだ。◆ここにきて保守派のロバーツ長官のトランプ批判も噴出し、最高裁とホワイトハウスの攻防も目が離せなくなってきた。?2018/11/25
yokmin
7
レンクエスト元最高裁長官「・・憲法に連邦政府が委託された権限は、数が少なく限定されている」 意外にもこれが現実であろう。連邦府と州政府は対等なのだ。最高裁判事が、バスケットやフットボール試合の賭けをしておるのはほほえましい。共和党大統領が指名した判事が9人中7人いても、最高裁が穏健な道をすすみ続けることには感銘を受けた。最高裁が実質的に指名したブッシュ大統領がさんざんんな結末になったことも興味深い。分かりにくい訳文も結構あったが、原文をチェックしたらやはりわかりにくかった。しかしながら興味深い本であった。2013/08/25
Yuki_N
2
まさにドキュメンタリーといった感じで、判事たちの内面や行動が生き生きと描き出されている。日本でもこうした本が書かれてほしいところだが、名も顔もない司法と言われている通り難しいのだろう。一般読者向けにするなら訳者解説をもう少しつけるべきかと思った2017/02/10
gq550_tomy
2
「ザ・ナイン」と呼ばれる、９人のアメリカ最高裁判事の実像に迫るノンフィクションです。ブッシュ(息子)政権前後の時期の内幕が生々しく描かれます。妊娠中絶、同性愛など、宗教の関係から日本とは少し異なるファクターが職を賭した一大問題になるのが、新鮮な感じでした。例のブッシュ対ゴアの再集計問題も出てきます。また、９人の配分がカトリックとプロテスタントで暗黙のバランスをとっているというのも、日本人からは意外で分りにくいですが、こういった文化を理解していくことが大事なのかもしれませんね。。2013/08/31
おかみつる
1
アメリカの最高裁ってこんなところなんだというのが分かる本。 とても人間関係が判決ににじんでくるし 選んだ人たちの個性によっても左右される こういうのが訴訟天国のアメリカでは当然なんだというのが おどろきであり 知らない世界であり おもしろく読めた。
