内容説明
神経経済学、実験経済学、経済思想史から進化心理学、生理心理学、複雑系、科学哲学まで分野を超えて気鋭の論者たちが問う―。経済学とは、いったいどんな科学なのか!?
目次
行動経済学と神経経済学は標準的経済学を変えるのか―経済理論の立場から
意思決定モデルの精緻化は何をもたらすのか―神経経済学の立場から
脳と身体の機能が意思決定を規定する―生理心理学と認知神経科学の立場から
経済学と脳神経科学はどのような関係にあるのか―科学哲学の立場から
経済学の「認知革命」はどこまで進んだか―実験経済学の立場から
“心”抜きの経済学は社会を幸せにできるのか―進化心理学の立場から
マックス・ウェーバーと心理学・精神物理学―経済思想史の立場から
自然化すれども還元せず―複雑系科学の立場から
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
りょうみや
26
確実に重要度を増している行動経済学や神経経済学、進化心理学(自然主義)が経済学の大前提である合理主義をどう微修正するか、上書きするか、7人の論者が各々考えを語っている。全体としては扱いやすくモデル化しやすい合理主義と新しい自然主義のなんとか良いとこどりを目指していこうという無難な方向性。進化心理学のインパクト(認知論的転回)、自然主義は無視はできないし取り入れ過ぎれば心理学、社会学の境界がなくなってしまう葛藤がよくわかる。2022/08/08
ステビア
4
イントロダクションとして非常にいい本だと思いました。こういうの勉強していきたい。2014/02/13
void
4
【★★★★☆】ゲー論、神経経済学、実験経済学、思想史、複雑系…といった専門領域は違えど、「経済学の自然化(=自然科学的基礎づけ)」は概ね有効だとする立場を共有する人たちによる論文集(学部2,3年次以降レベルかな)。各論者によるコメント付き読書案内だけでなく概要付きで読みやすいが、各々で被っている部分も多い。「合理主義」vs「自然主義」の利点・欠点を明快に整理している下川哲矢が白眉。基礎整理の瀧澤弘和、実験経済学の面白さと問題提起をした川越敏司も良く、進化心理学と顕示選好を扱った大坪庸介もなかなか。2013/09/13
Lian
2
スタート地点だと思っていたところがゴールだったっていうがっかり感2015/01/21
hika
2
交通整理として。 「いる」「いらない」でいったらいるんじゃないかなあとは思うが、さて2014/04/13